ブラジル中央銀行が国内の金融機関を対象に行う経済の動向予測調査「フォーカス」最新版で、今年のインフレ率予測が3・60%に上方修正されたと8日付現地サイトが報じた。
インフレ率予測は前回調査の3・53%が3・60%にと5回連続で上方修正されたが、それでもまだ、政府目標の3・75%より低い。政府目標は上下1・5%の幅があり、2・25~5・25%までは許容範囲だ。
昨年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、食料品などに引っ張られて4・52%となり、政府目標の中央値(4%)を超えたが、一応、許容範囲の中だった。来年の予想は3・50%から3・49%にと、若干だが下方修正された。
インフレ率が上昇傾向にあり、政府目標を上回りそうな時は、経済基本金利(Selic)が引き上げられるが、今年の基本金利は、現行の2%が年末時点で3・5%になると予想されている。
基本金利が引き上げられると、融資などの返済金利も上がるが、返済金利は債務不履行の危険度や収益、管理経費なども加味されるため、基本金利より高くなる。
今年の国内総生産(GDP)成長率予測は、前回調査の3・50%から3・47%に下方修正された。来年度の成長率予測は2・50%で据え置かれた。23~24年の成長率予測も2・50%のままで据え置かれた。
為替の動向は、今年の年末時点が1ドル=5・01レアルと予測されている。来年末時点の為替は1ドル=5レアルの予測のままだ。
貿易収支は今年が550億ドル、来年は497億ドルの黒字予測。外国投資は今年が600億ドル、来年は700億ドルと見込まれている。