ブラジル日本語センター(日下野良武理事長)が主催する『第35回汎米日本語教師合同研修会』の個人成果発表が1月21日(金)、修講式が23日(土)にオンライン上で行われた。来賓にはJICAブラジル事務所の江口雅之所長、国際交流基金サンパウロ日本文化センターの洲崎勝所長が招かれた。
21日の個人成果発表では、各々が3週間の講義やグループワークで「学習者自身に考えさせる授業」について学んだことを、「現場に戻ってからの実践として学びをどう活かすか」をテーマに発表を行った。
発表には教科書の学習内容で「すごろく」を作ったり、お店ごっこ形式で日本語での買い物を疑似体験する「マイストア」や、「神経衰弱」を元にした動詞の使い方を覚えるゲームなど、学習者が「考える」ように遊びや体験を加えた物も多く挙げられた。
この他、習い始めの初級者にも理解しやすいよう童話やアニメ・漫画を取り入れたり、伝えることや会話の習得に着目した内容、生涯学習としての環境づくりの在り方なども発表された。
例年は南米中から日本語教師が集まり2週間ほど切磋琢磨する同研修だが、今年は1回3時間で週に3回の講義を3週間かけて実施。オンライン上でも通話アプリや、グループ作業に適したツールサービスを駆使して協力しあって課題に取り組んできた。
23日の修講式で日下野理事長は、研修参加者や講師を労いと来賓への感謝を述べ、「勉強は本当に終わりがない。皆さんは頭にすぐ入る良い時期です。これで満足せず頑張って勉強して」と激励の言葉を送った。
来賓の江口JICA所長は「日本で外国人が増え、日本語教育者の需要が高まり、海外派遣する日本語ボランティアの確保が難しくなっています。その中で現地の日本指導をしている皆様へ期待が高まっています」と日本の現状を絡め、更なる活躍へ期待を寄せた。
洲崎基金所長からは「日本語教師は日本語の楽しい所、学ぶ事でどんな楽しいことがあるのか紹介するのが役割のひとつ」と見解を示し〝楽しさ〟の重要性を説いた。
「困ったことがあれば皆様にアドバイスするための専任講師がおります。メールで是非お問合わせ下さい」と紹介し、「日本語普及を一緒に頑張っていきましょう」と笑顔で送り出した。
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ブラジル日本語センターでは第33期教師養成講座の修講式も19日に行われていた。そのため「ズームの画面ばかりでは面白みがないのでは」と同研修会講師と研修生たちで記念イラストを書き下ろした。イラストはボリビアから参加した研修生の野田隼人さんが制作。「こんな感じかな」と感覚で書いたが他の研修生から「特徴捉えている」と好評だった様子。教務主任の鶴田広子さんも「オンラインながら、参加者のそれぞれ人柄に触れ、仲間意識を持つ事ができた研修になりました」ともう一つの成果にうなずいていた。