新型コロナの感染拡大抑制、減速化のため、各地でカーニバルのイベントがキャンセルされている。これにより、全国では最低81億レアルの損失が生じるという。
全国財・サービス・観光商業連合(CNC)が昨年の実績を基に試算したもので、交通費や宿泊費、食費、物品購入費、レクリエーションの経費などを合わせた損失額は最低で81億レアル、季節雇用も2万5400人分が宙に浮いたという。
3800市を対象にした調査によると、昨年のカーニバルでは前年を20%上回る経済効果があり、CNCでは当初、今年も同程度の増収が可能と予想していた。
カーニバルは観光業界にとり、商業界のクリスマス商戦に相当する。今年は大半の市が任意休日をキャンセルしたが、それでも、バーチャルのイベントを計画するなどして、カーニバルを楽しもうとする試みが各地で繰り広げられている。
ただ、サンバのパレードなど、街頭などに繰り出すイベントがなく、ホテルの予約取り消しやパレード用の衣装や山車の製作中止などで生じた雇用や収益の減少は「激減」という言葉でも足りない位だ。
昨年、リオ市を訪れた観光客は1千万人で、40億レアルの経済効果が生じた。リオ市のカーニバルは世界中から観光客が集う伝統的なものだから、キャンセルで生じる損失はより大きい。
昨年のカーニバル期間中のホテルの占有率は98%だが、今年は50%程度で終わる見込みだ。同市には11のブロッコがあり、昨年は路上のパレード関連で5千人の雇用が生じたが、今年はこれもない。
エスコーラ・デ・サンバも状況は同じで、例年は2月から翌年のパレード用の衣装製作にかかる縫製担当者も、バーチャルイベント用に数点を縫っただけ。食べ物を作って売ったり、掃除などを請け負ってやり繰りしているという。
バイア州サルバドールでの昨年の人出は1650万人で、21万5千人の雇用を生み、18億レアルの経済効果があった。だが今年は音響設備なども積んだ「トリオ」と呼ばれる車が、最低100台止まったまま。
大型トリオ2台を持つ経営者は、スタッフの人件費だけで年32万レアルかかるのに仕事が入らず、頭を抱えている。解雇すれば今後の人員確保が難しく、悩みの種は絶えない。
ペルナンブコ州レシフェ市では衣装関連の店の売上が70%減った。カーニバル用の衣装を他のイベントに流用するよう勧めているが、客の求めに応じた衣装を作るなどの工夫も必要だ。
サンパウロ市では678のブロッコに1500万人が参加し、29億7千万レアルの経済効果があったが、今年は衣装などの需要もガタ落ち。大衆向けの店が並ぶ3月25日街でもカーニバル用品が売れていない。
同市市役所は、12~28日にバーチャルイベント300件を企画してアーティスト達を支援しているが、それでもなお、困窮している人達が溢れている。(7日付フォーリャ紙より)