ハッキングされた携帯電話の通話内容の公開を最高裁が1日に許可して以降、ヴェージャ誌のジャーナリストがラヴァ・ジャット作戦(LJ)の特捜班に強く関与していたことなど、新たな事実が明らかになっていると12、13日付現地サイトが報じている。
最高裁のリカルド・レヴァンドウスキー判事が1日に、連邦警察のスプーフィング作戦でハッカーたちから押収した携帯電話に収められていた、セルジオ・モロ元LJ担当判事やLJ特捜班の携帯電話の通話内容の公開を認めて以来、19年に行われた「ヴァザ・ジャット報道」では明らかになっていなかったLJ特捜班の疑惑が次々と明らかになっている。
11日に判明したのは、ヴェージャ誌のジャーナリスト、チアゴ・プラード氏が、LJの「後見人」のように振舞っていた疑惑だ。通話内容によると同氏はLJ班の検察官たちに対し、逮捕すべき人を提案し、その疑惑の人物を逮捕させるべく、メールや文書、銀行の口座などの情報を提供していたという。
プラード氏は、ペトロブラスの国際部長だったネストル・セルヴェロー氏が逮捕された際、自分の手柄で逮捕されたかのように大喜びしている姿が記憶されている。
同氏はほかにも、元サッカーのスター選手のロマーリオ上議への捜査や銀行家のアンドレ・エステヴェス氏への捜査をLJ班に強く求めていた上、LJ班や裁判所が決めるはずの情報公開などに関しても口出しをしていたという。これに対して、デルタン・ダラグノルLJ主任も、「(プラード氏は)今すぐにでも連邦検察庁に入れる」とほめていたという。
9日には、最高裁第2小法廷がルーラ元大統領に盗聴内容へのアクセスを認める判決を出しており、LJ班にとっては不利な展開が続いている。こうした状況にルイス・フクス最高裁長官は14日、「LJ関連の裁判が全て無効となれば国の恥となり、最高裁への信用は地に落ちる」と警鐘を鳴らしている。
だが現状、最高裁でのLJ支持派は同長官、ルイス・ロベルト・バローゾ、エジソン・ファキン判事の3人に減ったとも言われている。いずれも、ヴァザ・ジャット報道で「支持を取り付けた」とLJ班が主張したとされる判事だ。