一般国民への銀行からの貸付額は過去12カ月間の所得の51%となり、05年の統計開始以来最高となったと、中央銀行が15日に発表した。同日付現地サイトが報じた。
この統計には、持ち家購入用の融資やクレジットカード利用分も含んでいる。ただし、昨年11月の時点での返済月額は所得の20・87%で、過去の最高を下回った。
同様の傾向は、1月末に全国財・サービス・観光商業連合(CNC)が発表した消費者の負債・債務不履行全国調査(Peic)でも見られた。同調査によると、負債を抱えている家庭の年間平均は66・5%に達し、2010年の統計開始以来最大となった。
CNCのジョゼ・ロベルト・タドロス会長は、パンデミックの否定的な影響を軽減し、消費を維持するためにとられた緊急支援金支給などの所得救済策が負債が増えた原因と見ている。
同氏によれば、経済基本金利(Selic)が史上最低レベルとなった事やインフレが低く抑えられていた事、政府による所得救済策が、貸付の利用や既存の負債を条件の良いものと取り換えたりする事を可能にしたという。
中銀によると、年末時点の一般の人の債務不履行率は2・8%で、一昨年末の3・5%より改善したという。中銀は昨年10月に、返済期間延長や負債の交換、新たな貸付の対象厳選といった方法で債務不履行の増加回避を図っていると発表していた。
CNCは逆に、返済遅れは年間平均で1・5%ポイント増えて25・5%となったと指摘。ただし、8月までは増加傾向にあったが、その後は減少に転じたという。