カーニバルの期間中に行われた非合法の集客イベントに対し、リオ州警察が捜査や取り締まりを続けており、人気歌手のベロが逮捕される一幕なども見られた。17、18日付現地紙、サイトが報じている。
今年のカーニバルは15日から17日の予定だったが、コロナ禍により、例年同様のイベントを実施した自治体はなかった。だが、カーニバルの公式イベントは行われなくとも、この日を休日として扱う自治体は存在した。州条例でカーニバルを休日としているリオ州もそのひとつだ。
そのため、リオ市内ではカーニバルの休日直前の週末がはじまった12日から市内各地で違法なフェスタが続発。西部のバーラ・ダ・チジュッカ、シダーデ・デ・デウス、クリシカ、中央部のラッパ、南部のレブロンやコパカバーナといった地域では、マスクをしない人たちが群れをなす姿が見られ、たびたび報道もされた。
こうした実情から、一般市民からは多数の苦情が寄せられ、取り締まりも行われた。カーニバルの取り締まりは12日から22日まで続く。
カーニバルに関連した取り締まりの中で最も注目を集めたものの一つは、人気歌手ベロが13日に北部コンプレクソ・ダ・マレーの州立校で行ったショーだ。ベロは17日、不正のイベント開催の罪を問われ、逮捕された。リオ市はカーニバルの期間中、大勢の人が集まるショーその他のイベントの開催を禁じており、警察は公衆衛生上の危険を伴うイベントを無許可で開催し、公共施設を無断で使用したとして摘発した。だが、許可を与えたのは地域の麻薬密売組織であった可能性が浮上したこともあり、市警の薬物対策課が逮捕を行った。
ベロやその関係者はこの逮捕に驚き、「イベントは合法だったはず」と反論。地裁がベロの弁護士が要請した人身保護令の適用を認めたため、本人は18日に釈放された。
17日には、コパカバーナのペスターナ・ホテルで行われていたイベントも取り締まりの対象となった。リオ市では12日以降、32のイベントが中止となり、74件の違反が摘発されている。
この傾向はリオ州も共通で、12日以降連日、3密が発生する違法なイベントが繰り返されている上、感染力の強い変異株による感染者も出始めた。同州での新型コロナ感染者は再び増加傾向にあり、15日には1日だけで過去最高となる8385人の感染者を記録している。