ブラジル北部のアクレ州州都リオ・ブランコ市ではアクレ川の氾濫で大きな被害が出ており、チアン・コカロン市長が16日夜、非常事態を宣言したと17日付現地サイトが報じた。
アクレ川の水位は1時間に4センチという異常な速さで上昇しており、17日の時点で市内24地区、少なくとも2900軒が浸水被害に遭っている。
川の氾濫による被災者は少なくとも1万3700人とされ、約200人が16日の午後に市内の広場に設けられた避難所に退避している。
川の氾濫は今月だけで2度目で、浸水被害が広がり、避難所に退避する人が増えれば、既に発生していた新型コロナとデング熱による衛生上の危機がさらに増す。
非常事態宣言は市民の生活を守るために必要な資材やサービスを迅速に確保するための手段で、入札を行わなくても必需品の購入やサービス契約の締結が可能となる。また、これにより、国や州からの支援を要請する事も可能となった。
同市防災局によると、16日午後6時現在のアクレ川の水位は15・74メートルで、氾濫開始とされる14メートルを1・57メートル超えている。警報発令基準は13・5メートルだ。
ブラジル地質サービスによると、雨が小康状態となり、川の水位は徐々に下がり始めるはずだというが、18日朝のテレビニュースではまだ、軒先まで水に浸かった家などが報じられていた。
洪水被害はリオ・ブランコ市と周辺の9市に及んでおり、同州のグラジソン・カメリ知事はこれら10市に対する非常事態を宣言すると共に、感染者が急増中の新型コロナやデング熱も含めた緊急対策室立ち上げのための知事令を発令した。