最高裁侮辱や軍政令第5号(AI5)擁護などで16日に現行犯逮捕されたダニエル・シルヴェイラ下議(社会自由党・PSL)に関し、連警本部で収監中に見つかった二つの携帯電話が釈放を困難にしていると、23日付現地紙、サイトが報じている。
シルヴェイラ氏の勾留延長は、17日の最高裁では満場一致、19日の下院でも364対130の大差で決まった。23日で逮捕から1週間を経過したが、まだ釈放のめどは立っていない。逮捕された当初は、検察庁が電子足輪での監視付きの釈放などを勧め、今週中にも釈放かと予想されていた。
現地紙によると、釈放が先延ばしにされているのは、リオ市の連警本部の留置場で見つかった、二つの携帯電話のためだという。連邦警察は、彼がどうやって携帯電話をこっそり持ち込んだかや、この携帯電話を使って19日の下院での投票前に、下議たちと連絡を取ったか否かを調べている。
捜査担当者たちはこの携帯電話を通し、シルヴェイラ氏がリオ市のミリシア(犯罪者の民兵組織)とつながっていないかや、ボルソナロ大統領や諸政党の幹部らといかなる関係にあったのかなどを調べることが可能だと見ている。
21日未明には、フェリシオ・ラテルサ下議(PSL)が、「シルヴェイラ氏はボルソナロ大統領やロドリゴ・マイア下院議長(当時)といった人物との密談や、議員仲間の発言を不法な形で録音し、自分の宣伝に利用していた」と発言。同下議はさらに、シルヴェイラ氏が、企業に便宜を図り、金を儲けたくないかと誘い、議員割当金を使った収賄を働きかけていた可能性もほのめかしている。
下院の倫理委員会は23日、シルヴェイラ氏の件や、夫を計画殺人した疑惑をもたれているフロルデリス下議の問題などに関する審議をはじめた。シルヴェイラ氏の処遇をめぐっては、下院の保守派グループが中道勢力のセントロンにかけあい、同氏の罷免を避けるよう働きかけている。だが、倫理委員長のジュセリーノ・フィーリョ下議(民主党・DEM)がラジオのCBN局に語ったところによると、「シルヴェイラ氏の状況はきわめて厳しい」という。