リクルート専門のコンサルティング会社ロバート・ハーフの調査で、企業幹部の95%は在宅勤務と会社勤務を織り交ぜたハイブリッド型の勤務形態が恒常化すると考えている事が判明。在宅・遠隔勤務を認める企業は新型コロナのパンデミック前より、増えている事も明らかになった。
20年4~12月に新規採用された人の80%は勤務時間の75~10%が在宅勤務で、この傾向は最低でも半年は続く見込みだ。2019年の場合、同じ条件で採用された人は5%だった。
同調査は昨年11月、ドイツ、ベルギー、ブラジル、フランス、英国の企業幹部1500人にオンラインで行われた。回答者は総務関連の責任者や経理・財務関係の責任者、契約関係の責任を持つ技術畑の理事などだ。
ハイブリッド型勤務の主な利点は、個人としての生活と職業人としての生活のバランスがとりやすい上に、事務所を維持するための経費が節減できる事だ。
企業の幹部達によると、リモートワークに適した機能やタスクは次のようになる。
採用担当者はEコマースやデジタルマーケティング、管理、販売、ビジネス管理、顧客サービスが遠隔勤務向きだと考えている。
最高情報責任者(CIO)や最高技術責任者(CTO)はクラウドエンジニアリング、ネットワーク/システム管理、ビジネス・インテリジェンス、システムとセキュリティの分析、ヘルプデスクのサポート・管理への適用が望ましいと考えている。
最高財務責任者(CFO)にとっては、財務計画、財務分析、アカウント管理、給与、監査と報告といった仕事がリモートワーク向きだという。
ロバート・ハーフ役員のフェルナンド・マントヴァニ氏は、今年は企業と専門家の双方にとっての「回復と再建の年」だという。
また、「電子商取引で収益創出など、ハイブリッドワークや遠隔勤務の在り方は世界規模で変化しており、弊社がブラジルで観察している採用の優先順位にも影響を及ぼす。弾力性や柔軟性があり、機敏な労働力を取り込み、人材追跡を加速させるような変革的な戦略と、データ主導の運用や計画プロセスの採用は、コロナ終息後も前進し続けるために不可欠」だとしている。
今年はチャンスが増えると見る人は67%だったが、ブラジル人の場合は73%で、肯定的な見方をしている事が判明。だが、給与増に期待しているは52%で、全体平均の57%以下だった。
週1~3回は自宅勤務を希望する人は68%、週4日は出勤をと考える人は49%いた。在宅勤務をしていたブラジル人の58%は他の市や国に転居したいと思っていた。5カ国の平均では39%だった。
最近の採用条件の一つは「どこででも働く」事だ。ハイブリッドスキルには技術や専門知識だけでは不十分だし、遠隔勤務を条件に従業員を募集する企業が増えれば、居住地でなくても働く覚悟が必要だ。
企業側は優秀な人材発見や維持のために、より良い給与や福祉厚生を提供し始めた。社員の健康や生活の質確保のためのプログラムや、福利厚生の継続支援用の技術テクノロジーへの投資も増えている。
オンラインの採用面接は当たり前になったが、今後は離職者への対処法の再考も必要だ。ダイナミックなビジネス環境で成功したい企業には柔軟な思考も不可欠で、「どこでも」働ける労働力の必要度は今後も増える。(18日付G1サイトより)