中央銀行によると、1月の直接投資は昨年同月比で30・7%減の18億3800万ドルで、06年同月の14億7200万ドル以来の少額と同日付現地サイトが報じた。
直接投資の落ち込みは新型コロナのパンデミックによるところが大きいが、ブラジル国内の政治的な混乱で、財政の立て直しなどに不可欠な改革案の承認が遅れている事や、緊急支援金の支給停止で経済活動が弱体化した事なども影響している。
20年の直接投資額は341億6700万ドルで、前年比で50・6%減少した。こちらは09年以来の少額だ。
中銀は昨年12月、新型コロナのパンデミックによって生じた先行き不透明感が薄れる事、国外の状況は新興国により好意的である事、国内消費が伸びる見込みである事などを理由に、今年の直接投資は600億ドルに達するとの見通しを示していた。
だが1月の数字を見る限り、見通し実現は危ぶまれる。変異株の存在確認や予防接種の遅れなどで、新型コロナの感染拡大が短期間で収まる様子が見られない事なども影響しているようだ。
中銀によると、1月の国際収支は72億5300万ドルの赤字で、昨年1月の赤字額、103億500万ドルを29・6%下回った。これは、08年1月の67億7800万ドルに次ぐ、良好な結果だ。
昨年の国際収支は125億1700万ドルの赤字で、07年に次ぐ良好な結果だった。
中銀は今年の国際収支赤字額を190億ドルと見ている。これも、国内消費の継続的な回復や国際的な需要の高まりや、パンデミックの動向に左右される見込みだ。