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《ブラジル》死者25万人超、頼みの綱ワクチン=ファイザー製の正式登録終了=民間企業や自治体も入手可能に

Anvisa(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 24日午後18時18分配信のG1ニュースは、コロナ死者数が25万人の大台を超えたと報じた。同時刻までの新たな死者は1390人/日で、累計25万36人を記録した。クリスマス直前の昨年12月23日はまだ18万9264人だったことを思えば、そこからたった2カ月間で30%も激増していることになる。
 外出自粛規制も思ったような効果が出ない中で、唯一期待が残るのがワクチン接種だ。それに関して、国家衛生監督庁(Anvisa)が23日に米国ファイザー社製のコロナワクチンの正式登録を認めた。これを受け、上院が翌日、民間企業や自治体もワクチンを購入する事を認める法案を承認したと24、25日付現地紙、サイトが報じた。
 ファイザー社がビオンテック社と共同開発したワクチンの正式登録を申請したのは6日で、僅か17日で承認となった。同社は昨年12月、緊急使用許可は申請せず、正式登録だけを考えるとの意向を表明していた。
 同社のワクチンのブラジルでの治験には2900人が参加。南アフリカ、ドイツ、アルゼンチン、米国、トルコを含む6カ国での治験参加者は4万4千人で、11月には有効率95%と発表された。
 英国製や中国製のように緊急使用許可しか受けていないと、国の予防接種計画に沿った公立医療機関で、決められたグループにしか適用できない。
 ところがこの正式登録により、同ワクチンは16歳以上の全ての人に接種可能となったので、民間企業なども購入可能となった。

 ファイザー社は昨年、連邦政府に緊急使用の可能性を打診していたが、政府側が接種に伴う副反応で生じ得る諸問題の責任を負う事を嫌ったため、緊急使用の可能性も同社製ワクチン購入の可能性も潰えた。
 上院が24日に承認した法案では、Anvisaが正式承認したワクチンを民間企業や自治体が購入する事を認めると共に、副反応が起きた場合の責任は国や州、市が負うとしている。
 民間企業がAnvisaが承認したワクチンを購入する場合は全てを統一医療保健システム(SUS)に寄贈する事が条件で、優先グループの接種終了後に購入する場合も、半分をSUSに寄贈する事と無料で接種する事が義務付けられる。
 ワクチンは基本的に国が購入するが、国が配布するワクチンが足りない時は、州や市が直接購入する事も認める。この点は、最高裁が23日に州や市による購入を認めた事に沿っている。
 ボルソナロ大統領は24日、責任問題などに拒否権を行使する意向を示したが、パズエロ保健相はアクレ州へのワクチン納入時に、交渉を困難にした点への対応を容易にするような明確な基準が承認されれば、ファイザー社とジャンセン社のワクチンを購入する可能性があると明言。ファイザー社は年内に1億回分のワクチン提供が可能と見通しも示した。
 なお、24日にコロナバックとオックスフォード・ワクチン計320万回分の国内配布が行われた事で、接種が中断していたリオ市やサルバドール市、サンルイス市といった州都は25日、地方の市でも26日以降、接種が再開される。