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《ブラジル》大統領長男 豪邸購入の仲介人に新事実=妻が「疑惑の判事」の元部下

サーキス氏と妻(Twitter)

 ボルソナロ大統領長男フラヴィオ上議がブラジリアで約600万レアルの豪邸を買った件に関して、購入契約の仲介をした人物の妻が、ラシャジーニャ疑惑の裁判でフラヴィオ氏に有利な判決を下した連邦高等裁(STJ)判事の直属の部下だったことが判明した。4日付現地紙が報じている。
 フラヴィオ氏が1月にブラジリアの富裕地区ラゴ・スルに597万レアルの豪邸を購入したことは、契約を仲介したジュセリーノ・サーキス氏自身が、このスクープを報じたサイト「アンタゴニスタ」に対して認め、契約書の写しも提示した。そのサーキス氏に疑惑が生じた。
 サーキス氏の妻が、STJのジョアン・オタヴィオ・デ・ノローニャ判事の直属の部下であることが判明したのだ。
 ノローニャ判事は、STJが1日に開いたラシャジーニャ疑惑に関する公判でフラヴィオ氏側の言い分を認め、(ラシャジーニャ疑惑告発の根拠となった)銀行口座開示命令は無効と判断。金融活動管理審議会(COAF)による資料も無効として、報告官が示した判断とは真逆の判断を下した。同判事に他の判事も同調したため、フラヴィオ氏を告発した検察側が証拠とした口座情報やCOAFの資料は無効化された。

 ノローニャ判事がこの公判でフラヴィオ氏に有利な展開を与えたのは、同判事がSTJの長官時代から権力者に有利な判断を下す傾向があったことが原因とも考えられている。サーキス氏の妻は、そのノローニャ氏が長官だった時代に側近をつとめた事実がある。
 ノローニャ判事はこれ以外にも、20年5月にエスタード紙がボルソナロ大統領に求めたコロナウイルスの陰性反応の結果を公表するように求めた裁判で、「見せる必要はない」との判断を出したり、20年7月にラシャジーニャ疑惑で逮捕されたフラヴィオ氏の元職員のファブリシオ・ケイロス氏を自宅軟禁に切り替える判断をしたりと、ボルソナロ一家に有利な判断を下してきている。
 フラヴィオ氏の豪邸購入は上院でも不審な行為と解釈され、倫理委員会で審議するよう求める声が出ている。