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《ブラジル》持ち家政策=低所得者用物件の発売減少=資材高騰で価格上限を超え

 新型コロナの感染拡大後、家屋の改修や小ぶりな家や事務所への転居などの動きがみられるようになっていたが、連邦政府の持ち家政策の「カーザ・ヴェルデ・エ・アマレラ(CVA、旧ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ)」では、対象家屋の発売数減少などが起きていると4日付現地が報じた。
 CVAは、低所得者でも自分の家が持てるように低金利の融資も提供しているが、月収2千レアル以下の世帯向け家屋を中心に、新たな物件の提供が滞っているという。
 その原因は、建築資材の高騰だ。CVAの対象家屋はグループ毎に上限価格が決まっているが、建築資材が高騰して、対象物件の価格が値上がりしてしまい、グループ1と呼ばれる、月収2千レアル以下の世帯向けの物件を建てるのは特に困難になっているという。

 これにより、従来はグループ1用の家屋を手掛けていた建築会社は、建設中の家屋を月収2~4千レアルの世帯向けとなるグループ2向けに振り向けるなどの方針転換を迫られている。
 対象とするグループを取り替えれば、建設会社や不動産屋は予定していた数の家屋を売り出す事ができるが、購入する側は価格が上昇すれば希望する物件に手が届かなくなる。資材高騰とそれに伴う価格上昇の影響を最も受けるのは、月収が少ないグループだ。
 2月までの12カ月間で見た全国建設コスト指数(INCC)は10・2%上昇。資材の高騰には、ドル高レアル安や、パンデミックのせいで原材料の入手が困難になって、生産活動が縮小した事などが影響している。