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《サンパウロ州》全域で赤レベルがスタート=医療崩壊目前で2週間

全域赤レベルのサンパウロ州の図(Plano SP)

 6日午前0時より、2週間の予定でサンパウロ州全域がコロナウイルスの外出自粛規制で最低の赤レベルとなる。規制強化前日の5日は、抗議デモを起こす集団が現れるなどの混乱も起きた。5日付現地サイトが報じている。
 赤レベルでは、「必要最低限の商業活動のみ」が認められる。生活必需の活動は、スーパーやパダリア、ペットショップといった食品類を扱う店や薬局、ガソリンスタンド、建築現場、公共交通、治安・警備、公共通信などに限られ、レストランなどはデリバリーかドライブスルーのみが認められる。夜間の外出禁止も20時から翌朝5時と厳しくなる。
 ただし、この最中でも、教会と学校は、前者が全体の30%、後者が35%の規模で運営が認められる。サッカーのサンパウロ州選手権も無観客での試合が認められている。
 他方、ショッピングセンター、バーやレストラン、美容院、映画館などの文化施設、大学、スポーツジム、公園などは、下から2番目の規制段階「オレンジ・レベル」にならないと営業再開が認められない。

 サンパウロ州は3日、「なにも手を打たないと3月15日には医療崩壊を起こしてしまう」として、今回の規制を行う旨を説明している。3日時点での入院患者は2分に1人の割で増えている。病床や人員確保のため、緊急ではない手術などはキャンセルされており、ポウパテンポなどもサイトでの対応のみとなる。
 この規制に対し、反対の声をあげている団体もいる。5日午前、トラック運転手の組合がマルジナル・チエテのアイルトン・セナ道方面行きの車線をトラックで塞ぐ抗議運動を行った。これに対し、サンパウロ州のパトリシア・エレン経済開発局長は、「この抗議で州が規制レベルを変えるつもりはない」と明言し、抗議に屈しない姿勢を示している。
 また、対面授業の継続が認められている私立校では、特別学級で対面授業を差し止める動きがあるなど、対面授業続行に反対の声をあげる動きが目立ってきている。
 公立校は原則としてリモート授業で、対面授業は、親が医療従事者で子供と同伴できない場合や、ダウン症などで特別なケアが必要な生徒、リモート授業が受けられない生徒や学習困難な生徒などに限定して継続する。