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《ブラジル》41%が失業対策を希望=健康・保健問題は39%

パンデミック前の生活は戻ってくるのか(Wilson Dias/Agencia Brasil)

 全国工業連合(CNI)が9日に発表した、「ブラジル社会の肖像画」と題する調査によると、国民の多くが、政府に優先して欲しい事として、失業対策と保健・衛生問題の改善を望んでいる事が明らかになった。
 失業対策を望んでいる人は41%、保健・衛生問題の改善を望んでいる人は39%で、統計上の誤差を考慮すると、ほぼ同率となった。
 その他で上位を占めたのは、汚職問題35%、教育の質改善34%、暴力と犯罪の撲滅25%などとなっている。回答者は3項目ずつ選ぶよう求められている。
 この調査は、20年12月の5~8日に行われており、新型コロナのパンデミックによって経済活動が落ち込み、失業率が上昇した事や、パンデミックで導入された雇用維持対策や緊急支援金の支給打ち切りが決まっていた事が、失業対策を望む人が多かった理由と見られている。
 CNIは経済活動などが活性化し、失業率が低下するためには、予防接種の一斉実施によって国民が集団免疫を得る事が不可欠と考えている。
 失業を恐れ、雇用を案じる人が最も多いのは北部と北東部で、回答者の52%が失業対策を最優先すべきと答えた。

 所得別にみると、世帯収入が最低給料一つ未満の人の44%が最も多かった。北部と北東部は生活扶助(ボルサ・ファミリア)や緊急支援金の恩恵を受けている人が多く、支援打ち切りの影響は他の地域より大きい。
 北部と中西部では、汚職対策が45%を占め、2番目となった。同地域では健康問題と教育問題が40%ずつで、それに続いた。その次は治安問題の38%だった。
 北東部では、失業対策を最優先するべきと答えた人が39%で、以下、保健・健康35%、教育34%、汚職29%、治安25%となっている。
 南東部では、保健・健康が39%、失業対策が38%で並び、汚職対策と教育が各々33%でそれに続いた。
 南部では保健・衛生が46%、失業対策が45%で並び、以下、汚職40%、教育30%、治安23%と続いている。
 失業対策を最優先するべきと考える人は市街地41%、周辺部43%で大差がなかったが、周辺部では保健・衛生を優先すべきと答えた人が44%、雇用創出を優先すべきと答えた人は37%だった。
 周辺部はコロナ禍の中でも公共交通機関を使って移動せざるを得ない人が多い上、医療機関へのアクセスが困難な場合が多いため、感染率や死亡率も市街地より高目だ。(9日付アジェンシア・ブラジルより)