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《ブラジル》下院憲政委員会トップに極右女性下議=反民主主義、反社会隔離運動の過去で波紋

 下院は10日、憲政委員会(CCJ)の委員長に、ボルソナロ大統領支持派の中でも最も急進的な存在と目されているビア・キシス下議(社会自由党・PSL)を選出した。フェイクニュース捜査の捜査対象にも選ばれ、最高裁への軍事介入を肯定したこともある同下議のCCJ委員長就任には強い懸念の声が上がっている。11日付現地紙が報じている。
 キシス下議のCCJ委員長就任は、この日、CCJで行われた投票で決まった。投票結果は賛成41票、反対19票だった。
 この委員長選挙に出馬したのはキシス氏だけだった。同氏の就任に反対を表明していた社会主義自由党(PSOL)は、フェルナンダ・メルシオナ氏の出馬を求めていたが、認められなかった。

 キシス氏はボルソナロ大統領支持派の代表格で、ネット上最大のオピニオン・リーダーのひとりだ。過去には、「武力による最高裁閉鎖」などを肯定する発言を行っていたほか、最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事が管轄するフェイクニュース捜査の対象で、「反連邦議会・反最高裁」の非民主主義デモに関しても、扇動したサイトに資金を提供した疑いを持たれるなど、問題視されることが多かった。
 コロナウイルスに対する社会的隔離に関しても一貫して反対の立場をとっており、この3月も、コロナに関する虚報拡散でユーチューブからアカウントの停止処分を受けたばかりだった。
 CCJは議会で扱う全ての法案の合憲性を問う役割を担っており、下院の中でも、もっとも重要な委員会のひとつだ。