駐ブラジル日本国大使館(山田彰特命全権大使)とブラジリア元国費留学生同窓会(ABRAEX)が共催した「東京オリンピック・パラリンピック」のウェビナーが、8日に開催された。後援はブラジル市民省、ブラジルスポーツ庁、ブラジルオリンピック委員会、パラリンピック委員会。今回は、昨年3月24日に史上初の大会延期となった「東京2020」について、新たな大会の準備やプログラム、安全対策などが説明された。
ウェビナーは、東京オリンピック・パラリンピック担当大臣の丸川珠代氏による「ブラジルの皆さん、こんばんは」とのポルトガル語のあいさつで開始した。
最初に丸川氏は、2016年に東京オリンピック・パラリンピック担当大臣としてリオ大会の現場を訪れことを振り返り、同地で温かく迎え入れられたことへの感謝と感動の気持ちを表した。現在、日本では安心、安全に大会を実施するために、新型コロナウイルス感染症対策を関係者でしっかりと検討していることを強調した。
東京大会は、史上最も男女選手の参加者数のバランスが良い大会になる予定で、オリンピック競技に参加する選手全体の内、女性は48・8%、パラリンピックは40・5%になることも示した。
「大会の先輩であるブラジルの大会関係者の皆さまと力を合わせて、アスリートを支えながら、大会の成功とレガシーの構築を目指して頑張っていきたいと思います。東京で皆様にお会いできることを楽しみにしています」と締めくくった。
続いてアンドレ・アルベス ブラジル市民省特別スポーツ事務局次官補がアスリートたちの健闘を祈る言葉を送り、ハンドボール選手として08年から4回続けてオリンピックに参加したブルーノ・ソウザ氏は当時を思い出しながら、「日本政府と組織委員会の皆様の成功を心からお祈りします」とエールを送った。
山田大使はあいさつで、「《リオから東京へ》をスローガンに、日本国大使館は、昨年『スポーツ分野における協力の覚書』と『柔道における協力の覚書』に署名するなど、日本とブラジルのスポーツ分野の協力・交流を積極的に支援しています。東京オリンピック・パラリンピックが皆さんの心に残る素晴らしい大会になることを祈念しています」と述べた。
東京大会の運営責任者である中村英正・組織委員会ゲームズデリバリーオフィサーが東京からリモートで招待され、競技や基礎的な情報、日本が開発して来た持続可能性コンセプトについて紹介した。特に歴代のオリンピック、パラリンピック組織委員会として初めての試みとなるのが、18年11月14日に国際連合と署名した「東京2020」を通じたSDGs(持続可能な開発目標)の推進協力に関する基本合意書である。
「Be better, together(より良い未来へ、ともに進もう)」をモットーに、東京大会では、参加自治体(全63自治体)から借り受けた木材を使用した選手村ビレッジプラザが建設されてきたことなど、持続可能を目標とした取り組みの例を挙げた。
中村委員長とホジェリオ・サンパイオ=ブラジル組織委員会総部長との間で質疑応答が行われた後、パウロ・ヴァンデルレイ=ブラジルオリンピック委員会会長とミザエル・コンラード=ブラジルパラリンピック会長のあいさつが上映された。
同ウェビナーはユーチューブでも日本語で視聴できる(https://youtu.be/flj2x-IX0tI)。