連邦検察庁は14日、ボルソナロ大統領長男のラシャジーニャ疑惑のもととなった、金融活動管理審議会(COAF)の調査を裏付けるため、2019年4月にリオ州地裁が出した銀行口座と会計関連の情報開示許可を無効にした連邦高等裁(STJ)の決定に対して、最高裁に上告を行った。14、15日付現地紙、サイトが報じている。
フラヴィオ氏はリオ州議だった時代に、父ボルソナロ氏の長年の親友でもあるファブリシオ・ケイロス氏の一家をはじめとした幽霊職員たちからキックバックを受けていたとのラシャジーニャ疑惑により、2020年10月にリオ州検察局から収賄と資金洗浄の容疑で起訴されていた。
だが、STJが2月23日、フラヴィオ氏の弁護士からの訴えを受けて行った審理で、判事投票4―1で、フラヴィオ氏の銀行口座や会計関連の情報開示を無効とする判決を下した。
これは、「開示は有効」との判断を下した報告官のフェリックス・フィッシャー判事の見解に対し、かねてからボルソナロ派として知られ、前STJ長官でもあったジョアン・オタヴィオ・デ・ノローニャ判事らが反対票を投じたものだ。
ノローニャ判事はこの裁判で、「COAFは捜査機関ではなく、資料も疑わしい」との見解を示し、COAFの資料の有効性も否定。この点について、ほかの判事も支持した。
この判決は、フラヴィオ氏と共に起訴された人物や企業計100人以上の裁判に影響するもので、今後は、リオ州議会などで横行していたラシャジーニャ全体の無効化やケイロス氏の釈放などの可能性も生じていた。
だが、その矢先の3月、フラヴィオ氏が今年1月に、申告外で600万レアルにも及ぶ豪邸を購入していた事実が発覚。さらに豪邸の売買を仲介した人物の妻が、ノローニャ判事のSTJ長官時代の部下だったことなども判明。これらの報道と前後して、今月2日に行われる予定だったCOAF資料の正当性を問うSTJの審議も延期されていた。
今回の上告は連邦検察庁によるものだ。リオ州検察局も、2月のSTJでの判決が出た直後から、最高裁へ上告を行う意向を表明しており、近日中に別途、上告を行う可能性がある。