15日に中央銀行が発表した経済動向予想調査「フォーカス」によると、今年の予想インフレ率は3・98%から4・60%に、経済基本金利(Selic)も4%から4・5%に上方修正されたと15日付現地サイトが報じた。
広範囲消費者物価指数(IPCA)で見た政府のインフレ目標は3・75%で、上下1・5%ポイントまでは許容範囲だから、現在の予測値は許容範囲内にあるが、10週連続のインフレ予測上方修正はインフレ圧力が低減していない証拠だ。
これを受け、年末時点のSelicの予想も、前回調査での4%が4・5%に上方修正された。Selicは、景気が落ち込んだ時には切り下げられ、インフレが高進する時は引き上げられる。
市場関係者は前回、17日の通貨政策委員会(Copom)では現行の年2%を2・25%に引き上げると予想したが、今回の予想では2・5%に上方修正された。
今年の国内総生産(GDP)予想成長率は前回より下方修正され、3・26%が3・23%となった。来年の成長予測も、2・48%が2・39%に引き下げられた。
年末時点の為替の予想は、1ドル=5・15レアルが5・30レアルに、来年末時点の予想も5・13レアルが5・20レアルと、ドル高方向に修正された。ドル高は輸入品価格などの上昇に繋がり、インフレ圧力となる。
今年の貿易収支は550億ドルの黒字という予想のままで、来年も500億ドルの黒字との見通しが維持された。外国人投資家による直接投資見込み額は525億ドルのままだが、来年の予想は619億ドルが600億ドルに下方修正された。