15日、エドゥアルド・パズエロ氏に代わる新しい保健相として心臓外科医のマルセロ・ケイローガ氏が決まった。ボルソナロ大統領長男のフラヴィオ上議による推薦だという。15、16日付現地紙、サイトが報じている。
14日に第一候補として当たっていたルジミラ・アジャール氏からは15日早々に断られたが、その次の候補と目されていたケイローガ氏は、その日のうちに保健相就任を引き受けた。
ケイローガ氏は1963年生まれ。1988年にパライバ連邦大学を卒業した後、心臓外科医となり、1997年には心臓病センターの事務局長に就任。2012年からは2年間にわたり、ブラジル心臓循環器科学会の会長をつとめ、2020年からはブラジル心臓科学会(SBC)の会長をつとめていた。
ケイローガ氏が推薦された経緯には、同氏がフラヴィオ上議の妻の一家と親しかったという事情がある。そのため、フラヴィオ氏、ボルソナロ大統領とは顔なじみでもあり、同氏のインスタグラムではフラヴィオ氏、ボルソナロ氏と共に写った写真もあるという。
そうしたこともあり、15日にケイローガ氏と直接会談を行ったボルソナロ大統領も、「昨日、今日知り合った仲ではなく、何年も前から知っている人なので話も早かった」と語っている。
ケイローガ氏の保健相就任に関し、セントロンは不満を抱いている。セントロン側はルジミラ氏か、ルイス・アントニオ・テイシェイラ下議(進歩党・PP)を希望していた。また、ケイローガ氏には保健機関運営の経験がないところも、セントロンにとっての不安材料だ。
ケイローガ氏はソーシャル・ディスタンシングやロックダウンの支持者であり、ボルソナロ大統領の推奨するクロロキンを使った早期治療という考え方も批判していたが、16日には「保健行政の方針は連邦政府が決めることであり、保健相はそれを実行するのみ」との見解を表明している。
ケイローガ氏は16日朝から、エドゥアルド・パズエロ氏との引継ぎ作業に入っている。