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《ブラジル》AMBがコロナ禍の監視開始=新保健相も社会隔離擁護=サンパウロ州72~74歳接種19日から

コロナバック31・8万回分の積み下し作業(南大河州、Gustavo Mansur/Palácio Piratini)

 新型コロナの感染再燃で感染者、死者ともに増加傾向が続く中、ブラジル医師協会(AMB)が15日、新型コロナ感染症に関する動向監視のための特別委員会を設置した。同委員会は医療現場や国民への指導なども行うと15日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
 AMBは委員会開設に当たり、広範囲の予防接種実施と社会隔離、各種の啓もう活動の必要を擁護する声明を出した。また、挙国一致でコロナに対峙する事や科学的な根拠に基づく情報を信頼する事を求め、虚報(フェイクニュース)の撲滅も謳っている。
 ブラジルのコロナ対策が挙国一致とならず、政府内からもマスクの効用や社会隔離の必要性を否定する発言や発信が行われてきた事は、国際社会でも懸念されている。
 国際社会の懸念は保健相交代劇が国際的に報じられた事でも明らか。新保健相に指名されたマルセロ・ケイロガ氏が、マンデッタ、タイシ両元保健相や、就任要請を断ったルジミラ・アジャール氏のような独立した姿勢を貫くのか、パズエロ保健相のように大統領に従うのかが注目されている。
 パズエロ氏は医師ではないのに治療目的のクロロキンの早期使用を認める書類に署名。ワクチン購入でも大統領に振り回された。この事は、医療機関で受診する前に効用が定かではない薬を服用し、症状が悪化してから治療を受ける例増加や、ワクチン不足による予防接種計画中断を繰り返すという失態も招いた。
 ケイロガ氏が16日、「現行の対策継続のために就任受諾」と答えた事もあり、一部のメディアは、「保健相交代後も『大統領が真の保健相』という実態は不変」「真摯な医者は大統領が拒否する事を擁護し、大統領が擁護する事を拒否する。ケイロガ氏は?」といった記事も流した。

 だが、16日発表の世論調査の結果や内外の批判などもあってか、ケイロガ氏は17日午後、パズエロ氏と共にオックスフォード・ワクチン50万回分を受け取った際、「大統領が我々に決定権を認めたから適切な調整を行う」「死者減少には社会隔離と病院での対応改善が必要」と語った。
 16日現在の感染者は1160万3535人、死者は28万2127人で、どちらも世界2位。1週間の平均感染者は6万8729人/日、死者は1965人/日だ。オズワルド・クルス財団によると、集中治療室占有率が80%超となったのは連邦直轄区と24州で、占有率が90%超の州都は18ある。
 感染者増で病床がなくなり、死者増加という悪循環を断つため、ロックダウンも含む規制強化を行ったり延長したりする自治体が相次いでいる。
 バイア州は規制強化で感染者が減り始めたが、病床占有率は依然高い。アマゾナス州も新規の感染者や死者が減少傾向にあるが、早くも第3の波を警戒する声が出ており、油断禁物だ。
 病床逼迫が深刻な南部3州やミナス州は死者増加が避けがたく、17日にはミナス州保健局が過去最多の314人死亡と発表。頼みの綱の予防接種は、17日のオックスフォード・ワクチン50万回分、コロナバック200万回分納入で、再開・前進の予定だ。
 なお、サンパウロ州政府はコロナバックの納入報告と共に、72~74歳の接種を19日からに前倒しする事も発表した。

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