16日、連邦高等裁(STJ)第5小法廷は、フラヴィオ・ボルソナロ上議の弁護側が起こしていた、ラシャジーニャ疑惑の発端となった金融活動管理審議会(COAF)の資料を検察が共有していることの無効化要請を、判事投票3対2で却下した。17日付現地紙が報じている。
この訴えは、フラヴィオ氏側が「銀行口座などにあやしい動きがある」としたCOAFの報告を無効化する目的で訴えたものだった。2月23日に行われた審理では、銀行口座などの情報開示命令を無効化する決定が出ており、フラヴィオ氏はこれに乗じてラシャジーニャ疑惑そのものを消滅させることが可能と踏んでいた。
フラヴィオ氏とその関係者や企業、約100人は昨年10月、リオ州議時代の幽霊職員の給与のキックバックで約610万レアルを横領した疑いなどでリオ検察局から起訴された。この疑惑の捜査の発端となり、決め手ともなったのが、COAFからの情報だった。
報告官をつとめたフェリックス・フィッシャー判事は、「COAFは合法的な手続きを踏んて捜査を行っており、フラヴィオ氏に関する情報も共有を禁じられるようなものではない」として検察への共有を有効とした。これに対し、ジョアン・オタヴィオ・デ・ノローニャ判事は、「COAFが検察や判事に情報を提供することは違法ではないが、フラヴィオ氏の場合は、COAFが検察の捜査を手助けするような行動をとった」としてフィッシャー判事に反対した。
フィッシャー報告官とノローニャ判事は2月の審理の際にも同様に対立。このときはノローニャ判事が4―1で支持を得ていた。
だが、この日の審理ではレイナウド・ダ・フォンセッカ、リベイロ・ダンタス両判事がフィッシャー判事を支持したため、ジョエル・イラン・パシオルニック判事のみが支持したノローニャ判事の見解を上回った。この結果、リオ検察局の持つCOAFのデータは有効のままとなった。
また、第5小法廷はこの日、フラヴィオ氏が訴えていたもうひとつの訴状である、リオ州地裁のフラヴィオ・イタバイアナ判事は同件を扱う資格はなく、「ラシャジーニャ疑惑の1審裁判を行わないようSTJが宣言するように」との訴えを、同じく3対2で却下している。
これによって、フラヴィオ氏の件も含めた、COAFの情報を基にするラシャジーニャ疑惑の捜査や裁判は継続が可能となった。2月のSTJの判決結果に関しても、連邦検察庁が最高裁に対して上告を行っている。