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《ブラジル》大統領側近が謎のネオナチポーズ?=上院議長が語る背後で

問題となったマルチンス氏の仕草(Twitter)

 ロドリゴ・パシェコ上院議長(民主党・DEM)は24日、ボルソナロ大統領の側近のフィリペ・マルチンス氏が、上院内で、ネオナチの間では一般的になっている憎悪のポーズをとったとして、連邦警察に捜査を依頼した。25日付現地紙が報じている。
 マルチンス氏は24日、エルネスト・アラウージョ外相に同行して上院でのバーチャル会議に参加した。この日、アラウージョ氏は上院に対し、コロナ対策に関する外務省の見解を報告しなければならなかった。
 問題のシーンはパシェコ議長の会話中に起こった。同議長の後方に座っていたマルチンス氏は、右手を胸のあたりに差し出し、何度も親指と人差し指をくっつけ、あとの3本の指を伸ばすポーズをとった。
 これを見かけたランドルフ・ロドリゲス上議(レデ)が、パシェコ議長に対し、マルチンス氏の仕草を問題視する発言を行った。これを受け、パシェコ議長は会議中に警察に対し、マルチンスの仕草を捜査するよう依頼する手続きをとった。
 結局、マルチンス氏は会議の終わりまでいたが、終わり際にジャン・パウロ・プラテス上議(労働者党・PT)が、「そのポーズはネオナチのものではないのか」と詰め寄る一幕が見られた。

 マルチンス氏とアラウージョ氏はかねてから、米国在住の極右思想家オラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏の弟子として知られていた。マルチンス氏はこれまでも、米国の極右の大物スティーヴ・バノン氏との交友が度々報じられている。
 今回の騒動に関して、マルチンスは「自分はユダヤ人なのに、その私のとったポーズがネオナチと結びつけられるとは」と逆に抗議を行った。
 だが、パラナ州のホロコースト博物館によると、マルチンスのとったポーズは、伸ばした3本指で「ホワイト」の頭文字であるWを示し、ネオナチの間ではかねてから白人優越主義を示すポーズとして知られているものだという。 
 今回のマルチンス氏の行為は上院で問題視され、アラウージョ外相の引責辞任を求める声もあがっている。
 なお、アラウージョ氏本人も24日、「中国を刺激したりしたことはなく、ワクチン入手に全力を傾けてきた」など自己弁護に努めたが、議会はここ数日、アラウージョ氏の言動への不満も募らせている。同氏更迭を求める議会の圧力は大きく、大統領府が後任の人選を始めている。