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《ブラジル》入札週間第1弾で22空港の入札成立=連邦政府は33億レ確保=想定額を大幅に上回る好成績

7日の開札の様子(Ministerio da Infraestrutura)

 インフラ省が統括して行う入札週間が始まり、第1弾となる22空港の運営権に関する開札では全3ブロックの入札が成立し、連邦政府が33億レアルを確保と7日付現地サイトが報じた。ブラジルの将来的な経済動向を、市場がどう先読みしているのかを占うものとして注目されていた。
 3日付現地紙などによると、空港と鉄道、港湾の運営権などに関する大型入札は7~9日に行われ、第1弾の7日は空港関連の開札が行われた。
 7日の入札は22空港を3ブロックに分割して行われた。インフラ省によると、入札に参加したコンソーシアム(共同事業体)は七つで、落札額は最低入札額(底値)を3822%上回った。
 南部3州にある9空港に関する運営権を争う南ブロックの落札者はコンパニア・デ・パルティシパソンエスで、底値を1534・36%上回る21億2800万レアルを提示した。南ブロックには28億5千万レアルの投資が見込まれている。
 バイア、ピアウイ、マラニョン、トカンチンスの北東部4州と中西部のゴイアス州の計6空港を扱う中央ブロックも、コンパニア・デ・パルティシパソンエスが落札したが、こちらは底値を9156・01%上回る7億5400万レアルを提示している。中央ブロックへの投資額は18億レアルが見込まれている。
 アマゾニア、アクレ、ロロイマ、ロンドニアの北部4州7空港の運営権を争う北ブロックは、フランスのヴァンシ・エアポート社が、底値を777・4%上回る4億2千万レアルで落札した。北ブロックの投資見込み額は14億レアルだ。

 落札価格の総計33億200万レアルは契約成立時に即金払いされる。政府が当初設定していた底値は計1億8620万レアルだったから、想定額を31億レアル余り上回る収入が確保された事になる。
 空港に関する入札は現政権では2度目だ。前回入札は2019年3月に12空港対象に行われ、九つの事業体が参加。連邦政府は底値を986%上回る23億7700万レアルを獲得した。
 2011年以降に民営化された空港の数は44に増える。44空港の利用者は全体の78%に達する見込みだ。
 ブラジルは新型コロナの感染拡大を抑制できず、ボルソナロ政権への信頼感が揺らいでいるが、今回の入札週間は長期展望でのブラジルへの期待感を示すものとして注目されている。
 タルシジオ・ゴメス・デ・フレイタス・インフラ相によると、入札週間の3日間で期待されている投資額は鉄道の敷設工事向けの16億レアルを含む100億レアルで、初日は極めて順調な滑り出しといえる。
 タルシジオ・インフラ相は「ブラジルは多くの機会に恵まれており、信頼に値する」「ブラジルは困難な状況にあるが状況を覆す力も持っている」とし、これを契機にできる限り多くの雇用を生み出す事が求められているとの認識を表明した。
 ボルソナロ政権は今年もまだ9公社を含む民営化計画を立てており、今年中に590億レアル、政権終了時まででは2600億レアルの投資獲得を目論んでいる。

★2012年2月7日《ブラジル》3空港民営化への入札終わる=落札額は底値の4倍に=W杯までの拡張など約束=需要拡大で高まる期待
★2015年6月10日《ブラジル》連邦政府=1984億レの民営化計画を発表=景気回復のてこ入れへ=道路・鉄道・港湾・空港で=国外大手の参加を求める