地理統計院(IBGE)が9日、3月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前月比で0・93%上昇し、今年に入ってからの累積は2・05%、直近12カ月の累積は6・10%になったと発表した。
2月のIPCAは0・86%だったから、インフレは加速している。0・93%という数字は3月としては、1・32%を記録した2015年以来、最大だ。
直近12カ月間の累積の6・10%は、今年の政府目標の上限を超えた。政府目標の中央値は3・75%で、2・25%~5・25%が許容範囲だ。
IPCAの目標上限超えは、2016年11月の6・99%以来だ。同年の目標上限は6・5%だった。IPCAが目標上限を上回ると、中銀は今後の物価抑制策を提出しなければならなくなる。
ただし、3月の数字は市場関係者が予想していた1・03%を下回り、12カ月間の累積も、予想されていた6・20%には至らなかった。
昨年3月のIPCAは0・07%で、昨年の4~5月にマイナス0・31%とマイナス0・38%を記録した後は上昇に転じ、0・26%~1・35%の上昇が続いた。
1・35%に達したのは、緊急支援金の支払いが打ち切られる事で買い急ぎが起きたと思われる昨年12月。1月は0・25%に下がったが、2月は0・86%、3月も0・93%と高止まりしている。
3月のIPCAが高進した最大の原因は、燃料費と台所用の液化ガスが各々、11・23%と4・98%上昇した事とされている。
燃料費の中でも影響が大きかったのは、ガソリン代の11・26%高だ。エタノールは12・59%、ディーゼル油も9・05%値上がりした。IPCA算出時の比重が大きいガソリン代の影響が特に大きかった。輸送費全体は3・81%の上昇となった。
他方、食料品や飲料の値上がりは沈静化。肉類は2月に続く値上がりを見せたが、トマトやジャガイモ、米などが値下がりした事で、0・13%高に止まった。
昨年中の食料品と飲料は14・09%値上がりしたが、今年は1月1・02%、2月0・27%、3月0・13%となっている。
それでも、12カ月間の累積では、大豆油が81・73%、米が63・56%、レモンが62・29%値上がりした。
2月は0・55%高だったサービス部門も、レンタカーが14・02%、タクシーアプリが3・42%、パックツアーが2・93%などのデフレを記録。0・12%高に止まった。
IBGEが同時に発表した建設費はIPCA以上に値上がりしており、3月は1・45%、1~3月は4・84%、12カ月間の累積では14・46%となっている。
給与調整などに使われる全国消費者物価指数(INPC)は0・86%で、3月としては2015年の1・51%以来の高率だ。1~3月の累積は1・96%で、12カ月間の累積は6・94%となっている。
ただし中銀のカンポス・ネット総裁は、現在の物価高進は一時的なものとの見解を表明した。(9日付G1サイト、同アジェンシア・ブラジルより)