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《ブラジル》2度めのコロナ死者4千人突破=薬品やワクチン在庫切れ深刻化=新たな変異株の出現も確認

死者の急増ぶりを示す日計集計のグラフ(保健省公式サイト)

 8日の新型コロナによる死者は再度の4千人超えとなる4249人(保健省統計)で、新記録を更新した。死者累計は34万5025人、7日間の平均は2870人/日。3月17日以降の死者平均は2千人超のまま。
 4月の死者が10万人を超える可能性や1日の死者が5千人に達する可能性は報じられ、ロックダウンなどの厳しい外出規制導入後も集中治療室(UTI)占有率が90%超の州が多く、死者増加の勢いが衰えるには時間を要す。
 1日の死者が4千人超、平均2870人/日という数字は世界一だ。100万人あたりの死者(死亡率)は1642人だが、アマゾニア、マット・グロッソ、ロライマ、リオ、連邦直轄区の死亡率は2千人を超えている。アマゾナス州の死亡率は2944人で、世界一のチェコの2579人を上回っている。
 それでも、ボルソナロ大統領は7日のサンタカタリーナ州訪問時、ロックダウンなどの厳しい外出規制を否定し、クロロキンなどを使う早期治療を積極的に行うよう強調した。
 だが、クロロキンを含むコロナ感染症キット使用者は、重症化後に受診する傾向があり、手遅れになる例や薬の副作用や後遺症での死亡例も出ている。大統領が7日に訪問したシャペコー市は当初、大統領の説く方針に従い、称賛を浴びたが、2月に医療崩壊が起き、他州に患者を移送。ロックダウンでUTI占有率が低下し、空き待ちの列は解消したが、死亡率は全国平均以上の2406人だ。同市市長は9日、厳しい規制導入と早目の受診を勧めた。

 全国の感染者は1327万9857人で、高齢者などへの予防接種や外出規制強化などで、3月25日は7万7千人/日だった平均感染者も、6万2859人/日に減った。
 だが、ワクチン供給は不安定で、9日には在庫切れで接種を中止する市が出ている。人工呼吸器などを装着する際に必要な麻酔その他の薬品キットも在庫が切れ、患者が目覚める例や、数日中に在庫が切れる自治体増が報じられている。
 高齢者の入院・死亡例は予防接種により減少しているが、変異株出現で若い感染者が増え、UTI利用日数が伸びた事で病床占有率は全国的に高止まり傾向にある。
 4日にはサンパウロ州内陸部で南アフリカ型変異株による市内感染が確認された上、7日にはミナス州ベロ・オリゾンテ市や周辺市で新たな変異株の存在が確認された。ミナス州は昨年後半以降、感染者や死者の増加傾向が目立ち、感染者は全国2位、死者も3位に位置している。
 変異株による感染急拡大と高齢者への接種効果で、死者の平均年齢は低下している。3月26日付現地サイトによると、1月3~9日(感染学上の第1週)と3月7~13日(第10週)の死者の平均年齢は62歳から58歳に低下。年代別死者増加率は、30代565・08%、40代626%、50代525・93%で、若年化が進む傾向にある。

★2021年4月7日《ブラジル》コロナ死者、初の4千人超え!!!=世界最悪5千人突破の懸念も=米ファウチ博士「ロックダウンを」=大統領「家にいたら太るだけ」
★2021年4月8日《ブラジル》大統領がワクチン接種加速化を約束=企業家たちとの晩餐会で=「財界との信頼回復」のため=接種状況は収束には程遠いが
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