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《リオ》前妻への暴力行為も明らかに=DV市議の4歳養子虐待死事件

ジャイリーニョ容疑者

 8日に養子(恋人の子供)のエンリ・ボレル君(4)殺害容疑で逮捕されたリオ市議のジャイリーニョ容疑者(43)をめぐり、エンリ君への虐待を裏付けるさらなる証拠や過去の家庭内暴力(DV)の証言などが浮上している。9〜12日付現地紙が報じている。
 今回の事件は、現職のリオ市議が4歳の子供を虐待の末に殺害した事件の残忍性と、エンリ君が死亡した3月8日以来、事故死を主張する同容疑者とエンリ君の母親のモニケ・メデイロス容疑者の証言の矛盾が疑問視され続けていたことで、世間の関心がきわめて高く、報道番組などで連日報じられている。
 まず8日、エンリ君の乳母にあたる人物が2月に、エンリ君がジャイリーニョ容疑者から暴力被害を受けていたことをリオ市警に連絡していたことが明らかとなった。その報告によると、ジャイリーニョ氏は2月12日、テレビの音がうるさいとして腹を立て、エンリ君を自室に呼び、鍵をかけて乱暴。エンリ君が部屋を出た時には出血し、絆創膏をしていたという。エンリ君はその後も膝と頭の痛さを訴えていたという。
 リオ市警は12日にも、モニケ容疑者が小児科医に対し、エンリ君がジャイリーニョ氏からの暴力に怯え、「彼の姿を見るだけで震え、吐き気をもようしていた」と告白していたことを突き止めた。この告白は2月18日に行われたもので、モニケ容疑者の携帯電話の消去されていた部分の修復で明らかになった。

 9日には、ジャイリーニョ氏の前妻が2013年12月29日に同氏から暴力被害を受けたと市警に証言した。それによると、2人は15年間の交際・同棲後に正式に結婚することになったが、ジャイリーニョ氏の浮気が発覚。腹を立てた前妻がハネムーン行きを断ると、腕をつかんで台所まで引きずっていき、蹴とばすなどの暴力を行ったという。前妻は14年1月に警察に行き、同件での被害届も出している。
 彼女によると、別れた後、ジャイリーニョ氏は二人の間に生まれた子供とエンリ君を抱かせた写真をSNSに掲載し、良好な関係を装っていたという。
 さらに前妻は、ジャイリーニョ氏がエンリ君が亡くなった数時間後に自身の姉妹の誕生パーティに出席していたことも明かしている。
 10日には、ジャイリーニョ氏の弁護士が前妻の裸体の写真を公開し、前妻の人格を否定した上で、彼女の証言は意味をなさないと言おうとしたため、警察が州検察局と弁護士会に対して弁護士を告発するという出来事まで起きている。