11日、エクアドルとペルーで大統領選が行われ、エクアドルでは保守派のギジェルモ・ラソ氏が決選投票の末、逆転当選した。ペルーでは、急進左派のペドロ・カスティーヨ氏と保守派のケイコ・フジモリ氏が、6月に行われる決選投票に駒を進めた。12日付現地紙が報じている。
2月7日に行われたエクアドル大統領選の一次投票では、ラファエル・コレア元大統領が結党した左派政党「希望連合」のアンドレス・アラウス氏が32・72%で1位、保守政党「機会創生」のラソ氏は3位の先住民系候補のジャック・ペレス氏とわずか0・35%ポイント差の19・74%の2位で決選投票に進出。この時点ではラソ氏が不利に見えた。
だが、汚職疑惑での逮捕を避けるためにベルギーに逃亡したコレア氏との関係を嫌う国民も多く、この結果、決選投票ではラッソ氏が得票率52%で逆転当選した。
ラソ氏は銀行家出身の65歳。2013、17年の大統領選にも出馬しており、17年は次点だった。
ラソ氏は5月24日に就任するが、同時に行われた議会選挙で所属党の「機会創生」は議席数で5位の12人しか当選せず、その4倍の48議席を獲得した「希望連合」を相手にどのような政局運営を行うかが注目される。
一方、18年にクチンスキー氏が辞任、20年にビズカーラ氏が罷免と、大統領が安定せず、激動が続いていたペルーの大統領選も、11日に一次投票が行われたが、候補者の間で激しい票割れが起こり、カスティーヨ氏が19・1%で1位、フジモリ氏が13・3%で2位だった。
政党「自由ペルー」を率いるカスティーヨ氏は、2017年のゼネストを率いた人物として注目されている。新自由主義経済を否定する極左的な経済政策を掲げながら、社会的には中絶の合法化反対、反同性愛など、保守的主張を行ったことで支持を得た。
もうひとりの日系大統領アルベルト・フジモリ氏の長女として知られ、2011年の大統領選次点のフジモリ氏は、ブラジル企業オデブレヒト社からの収賄疑惑のある中での選挙だった。同氏所属の政党の「人民勢力」は議会選挙でも「自由ペルー」についで2位だ。
決選投票は6月6日に行われる。