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《ブラジル》コロナバックの遅延材料到着=米国製ワクチンやロシア製にも進展

到着したコロナバックの原料(Twitter)

 19日朝、新型コロナの予防接種ワクチン「コロナバック」を500万回分製造できる原材料(有効成分)が中国から到着し、サンパウロ市ブタンタン研究所に届けられた。米国ファイザー製薬、ロシアのスプートニクVなど、他のコロナワクチンにも気になる動きが出ている。19日付現地紙、サイトが報じている。
 北京からトルコ航空の飛行機で空輸されたコロナバックの原材料、3千リットル分は、19日午前6時13分にグアルーリョス空港に到着した。その後、ブタンタン研究所に届けられている。
 今回到着した500万回相当分の原材料は、本来なら3月末までに届けられる予定だったが、19日間遅れた。そのため、今月末までに連邦政府に納入する予定だったコロナバックの製造が遅れ、5月10日までの納品となった。今回も、当初予定されていた6千リットルの半分しか送られていない。もう半分の3千リットルは4月末までに送られて来る予定だ。
 コロナバックは、現在までにブラジルで使用されているコロナワクチンの大半を占めている。ブタンタン研究所は保健省に対し、5月10日までに累積で4600万回分のコロナバックを送ることとなる。

 一方、国家衛生監督庁(ANVISA)が緊急使用の許可を出しながらも、政府が再び、契約書の項目に苦言を呈したため、一向に購入契約が確立せず、接種開始のめどさえ立っていなかったファイザー・ワクチン。これも最初の積み荷となる100万回分が、4月29日にサンパウロ州カンピーナスのヴィラコッポス空港に届けられることになった。
 全国市保健局審議会によると、このワクチンは零下70度での保存が必要とされるため、その施設を有する州都でのみしか使用されないという。
 ANVISAがスプートニクVの工場の視察を行うために派遣した調査員たちが、17日にモスクワに到着した。スプートニクVはすでにアルゼンチンなどで使用されているワクチンで、90%を超える高い効用を示している。ブラジル国内では北東部の知事たちが使用に興味を示しており、連邦政府に圧力をかけているが、ANVISAが緊急使用許可を出さないため、州知事たちが苦言を呈してANVISA理事たちとの会合を申し入れたりしていた。
 また、ANVISAは19日、コロナバック以外の中国製ワクチン(クローバー製薬製のダイナバックス)に治験開始許可を出した。ブラジルでの治験は、リオ、リオ・グランデ・ド・スル、リオ・グランデ・ド・ノルチの3州で、1万2100人を対象に行われる予定だという。