ブラジル中西部のマット・グロッソ州で、既に死亡した人の納税者番号(CPF)を使って新型コロナの予防接種を受けた人がいる事が判明し、同州会計検査局(TCE)が不正接種が起きた市の市役所に説明を求めた。
マット・グロッソ州TCEによると、不正接種は1月18日から3月15日に起きており、死者のCPFでワクチンの接種を受けた人は27人いるという。TCEは、不正接種が行われた22市の市役所に、事実関係を調べて説明するよう要請した。
TCEが調査したこの期間中の接種数は11万4941回で、死者のCPFを使った不正接種は0・02%に相当する。
TCEによると、死者のデータを登録するSisobiの情報と照合した結果、死亡日より後に接種を受けたという登録が行われたが、名前や生年月日が一致しないという例も56件(0・05%)あったという。
20日に発表された文書によると、現在までに得た情報は予備的なものに過ぎず、より詳細な捜査のためには接種を担当する市当局からの情報が不可欠なため、市役所からの返答を待って、捜査の方針を決めるという。
TCEからの通達を受けた市役所は、15日以内に被接種者に関する情報の提示と事実関係を説明する必要がある。
ブラジルでの新型コロナの予防接種が全国規模で始まったのは1月18日で、その前後から様々な形の詐欺事件が起きている。(20日付アジェンシア・ブラジルより)
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