独立行政法人国際協力機構(JICA)のブラジル事務所(江口雅之所長)では1月に企画調査員の井口史子さん、3月に宮下和正さん(長野、41歳)、1月に健康管理員の速水早苗さん(愛知、45歳)が着任した。うち2人を16日にオンライン取材した。
企画調査員の宮下さんは以前エルサルバドル事務所で2018年から20年にかけて企画調査員を経験。民間企業の駐在員としてチリやタイにも滞在した経験を持つ。
ボランティアと受け入れ先の調整役となる企画調査員の宮下さんは「まだ今後が不透明ですが、日系社会の皆様とコミュニケーションをとっていき、コロナ禍後にボランティアと受け入れ団体が双方安心できる環境を作るための調査を行っていきたい」と意気込んだ。
なお、ボランティアは昨年3月からブラジルを含む全世界の派遣先から一斉帰国しており、今現在も国内には居ない状態となっている。
ボランティア派遣再開については、まだコロナ禍で見通しがつかない状態だが、再開可能になった際には段階的に派遣する予定だという。
一方、健康管理員の速水さんは、2005年から2007年にメキシコでボランティア、2011年から2013年にエルサルバドル事務所を経て今回着任。ボランティアや関係者に大きな怪我や病気があった際など現地病院等との仲介や日本のJICA本部とのやりとりを行う。
現在はサンタクルス病院のベッドの空き状況の確認や契約顧問医とのやり取りを行い、国内におけるコロナ感染症状況についての調査や同事務所職員の健康管理にも携わっている。
ブラジルの印象について宮下さんは3月に着伯し、自主隔離期間が終ったばかりだが「日本食材が多く、不自由せずありがたい」と述べた。
速水さんは「日系企業の多さや先にブラジルに来た日本人が子供の教育関や雑貨店などといった情報を教えてくれ、ネットワークが形成されている」と他南米国との違いを挙げた。