《ブラジル》コロナ禍CPIが27日に発足=報告官にレナン氏正式就任=まずは非政治的内容と牽制=悪い冗談?大統領長男「密だからダメ」

27日、上院でコロナ禍に関する議会調査委員会(CPI)がはじまった。ボルソナロ大統領の一派は直前までレナン・カリェイロス上議(民主運動・MDB)の報告官指名を妨げようとして法廷闘争まで行い、26日には連邦直轄区の裁判所が報告官はおろか、CPIへの参加も差し止める仮判断を下したが、27日に却下された。26、27日付現地紙、サイトが報じている。
CPIの発足式は27日に正式に行われた。ボルソナロ大統領は、自身にとって不利となる同CPIの発足について、表面上は「気にしない」と言ったが、実際は直前まで連邦政府側による抵抗を続けさせた。
まず、大統領派下議のカルラ・ザンベッリ下議(社会自由党・PSL)が連邦地裁にレナン氏の報告官への指名を差し止めを願い出た。その結果、連邦直轄区地裁がレナン上議の報告官指名を差し止め判断を出した。同地裁のシャルレ・ルノー・フラゾン・デ・モライス判事によると、「上院と国家総弁護庁(AGU)が72時間以内に出す見解を聞くまでの差し止め」であるとした。
だが、上院側はこの決定をまったく気に留めなかった。レナン氏はすぐに控訴し、CPIの発起人であるランドルフ・ロドリゲス上議(レデ)も、「すぐに取り消されるだろう」と問題視せず。ロドリゴ・パシェコ上院議長(民主党・DEM)も26日の内に、「CPIは議会が開設するもので、報告官は委員長が指名するのだから、司法の干渉は受けない」と無視する意向を示した。そして翌27日、第1連邦地域裁(TRF1)がレナン氏の訴えを認め、連邦直轄区地裁の仮判断を覆した。
発足当日は、大統領長男のフラヴィオ上議(共和者・PR)が最後まで抵抗を試みた。フラヴィオ氏は委員に指名されていないが、この日のCPIに参加。「衛生上、密ができることはよくないのでCPIを行うべきではない」と普段自分がやっていることとは真逆の主張をした。同氏は大統領同様、コロナ禍における外出自粛規制の反対者として知られている。
フラヴィオ上議はCPI開始前、取材陣に対して、「レナン氏の報告官指名を止めないとは、パシェコ議長の見識を疑いたい」と批判。同氏はさらに、CPIの席で、11人の委員、7人の補欠に女性上議がいないことに触れ、「女性議員は十分に尊重されていると思っていた。だが、女性が誰も選ばれていない。なので女性議員の皆さんは質問などをしないように」と語ったが、これが女性議員に不評。エリジアネ・ガマ上議(シダダニア)などから反論を受けた。
CPIは予定どおり、委員長にオマール・アジス氏(社会民主党・PSD)、副委員長にランドルフ氏、報告官にレナン氏を選出した。
レナン氏は報告官に正式指名された後、「政治的なものになることは避けたい」と牽制しつつも、「科学を尊んだものとなる」と語り、ボルソナロ大統領支持派で目立つ「否定論」を揶揄。「責任者を迫害するつもりはないが、これだけ多くの犠牲者を生んだ責任者は罰せられるべきだ」とも述べた。
アジス委員長も「政治的なこと以上に、40万人近い人の命が奪われたことの方が問題だ」との見解を示した。
実際の審議日程などは、次回の会議で確定するが、初回の会議では現・元保健相らから話を聞く意向であることなどが確認された。25日には、CPIでの質問攻勢に備えるために官房長官らが用意した文書が各省庁に配られ、野党議員らから「政府が自分たちのミスを認めた証拠」と話題になった。
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上院のコロナ禍に関する議会調査委員会(CPI)の会合が、27日からはじまった。CPIには反ボルソナロ派議員がかなりおり、連邦政府や大統領も苦戦を強いられることが予想される。そんな中、25日、その渦中の人物であるエドゥアルド・パズエロ前保健相が、アマゾナス州マナウスのショッピングセンター内をマスクなしで歩く姿が目撃された。これを見つけた写真家の女性が「マスクはしないのか」と尋ねると、「しないね。君のマスクはどこで買ったの?」と問い返す有様だったとか。最後には、見かねた市民の一人がパズエロ氏にマスクを与えたとも。CPIで最も追及されることが予想される同氏だが、こんなに隙だらけで大丈夫?