21年度の年間予算法(LOA)裁可を待ち構えていたように、ゲデス経済相が27日、ヴァルデリ・ロドリゲス財務特別局長を解任したと同日付現地サイトが報じた。
ロドリゲス氏は財政改革の推進役でもあった人物だが、連邦議会がLOAを承認した際、議員割当金関連の支出の割合を増やし、義務的支出での予算削減を許すなどしてゲデス氏との間で衝突が生じていた。
他方、一部の関係者の間では、今回の異動は経済省の分割に対する政治的な圧力を減ずるためとの見方もあるようだ。ロドリゲス氏自身は6月まで現在の職務に残りたいと考えていたが、予算案審議での在り方に対し、政界からの批判が噴出していた。また、財務特別局の中でも、重大な決定を行う際、同氏がブレーキをかける事が多く、不満が出ていたという。
ボルソナロ大統領は昨年、レンダ・ブラジルという社会プログラムの立ち上げに際し、運用資金確保のために年金額据え置きや失業保険の内容変更を言い出したとして、ロドリゲス氏の更迭を考え、「レッドカードを出す」と脅していた。
後任には、国庫局長のブルーノ・フンシャル氏が就任する見込みだ。国庫局は財務特別局の下に位置している。
フンシャル氏の後任も同省内から指名される見込みで、諸機関との調整役の特別補佐官で、同省での経験も長いジェフェルソン・ビッテンコルテ氏が有力視されている。
同省内の異動はこれだけに止まらず、財政改革関連の特別補佐官であるヴァネッサ・カナド氏や予算局のジョルジェ・ソアレス局長らも辞任、退任となる見込みだ。
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