6日朝、リオ市警がリオ市北部のファヴェーラ、ジャカレジーニョで麻薬密売組織の摘発作戦を敢行し、銃撃戦が発生。容疑者24人を含む25人の死者が出る壮絶なものとなった。6日付現地サイトが報じている。
ジャカレジーニョでの銃撃戦は、6日午前6時45分頃からはじまった。リオ市警はこの日、青少年まで巻き込んで麻薬密売その他の犯罪行為を繰り返している犯罪組織を摘発するための「エセプティス作戦」を敢行しており、密売者たちと銃撃戦となった。同地区は同市最大の犯罪組織、コマンド・ヴェルメーリョの本拠地の一つとされている。
この銃撃戦により、市警のアンドレ・フリアス氏が頭部に銃弾を受けて死亡。他の市警2人も負傷した。現場付近は地下鉄2号線や同市内を走る私鉄「スーペル・ヴィア」が(地上を)走っており、トリアージェン駅の近くでは、流れ弾に当たった地下鉄の乗客2人が救出される事態も発生した。自宅に居て、足に被弾した人もいた。
犯人グループは銃撃戦のあと、なおも逃走中だ。午前7時30分頃には、マシンガンを抱えた犯人のひとりが家屋の屋根伝いに逃げる様が防犯カメラで確認されている。同地区の防犯カメラや住民が携帯電話で撮影した映像には、激しい銃声や爆発音なども記録されている。
地区住民によると、銃撃戦の間は恐怖で外出できなかったという。住人の中には、同日の午前中に結婚式や帝王切開での出産が予約されていた人たちもいた。
午前9時台の報道ではここまでしか報じられていなかった。その後の市警の発表では、いきなり「死者25人」とその数が大幅に増え、皆を驚かせた。市警は、死者の身元などに関する詳細を明らかにしていないが、増えた死者の24人はいずれも容疑者だったという。
暴力犯罪の統計サイト「フォーゴ・クルザード」によると、犯罪組織捜査で25人の死者という数字は、2016年7月の統計開始以来、最多だという。
最高裁は昨年、パンデミックを理由に、「例外的なもの以外」のファヴェーラ内での捜査を禁止する命令を出しており、リオ市内でも大掛かりな銃撃戦は絶えていた。
ブラジル弁護士会(OAB)人権委員会の弁護士は、この捜査に関する調査をはじめている。
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