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《リオ》市警の「25人殺害捜査」が国際的問題に=最高裁や国連も否定的反応=虐殺や人権無視との批判も

2018年に国家警備隊が行ったジャカレジーニョ区掃討作戦の様子 (Tânia Rêgo/Agência Brasil)

 6日に25人の死者を出した、リオ市北部のファヴェーラ(貧民街)、ジャカレジーニョでの市警の捜査に対し、「行き過ぎではないか」として抗議の声があがっている。6、7日付現地紙、サイトが報じている。
 今回の捜査で記録した25人の死者数は、リオで行われた捜査としては史上最多のもの。そのうちの24人は容疑者だ。最初の段階で警官一人が頭を撃たれて殺されたことで、捜査が「復讐」に変わったのではと指摘するジャーナリストもいる。
 行き過ぎと言われる理由のひとつが、2020年6月に最高裁がパンデミックを理由として、ファヴェーラでの捜査を「例外的なものでない限り」禁止にしていたことがある。
 さらに、今回の捜査内容だ。ジャカレジーニョはリオ州最大の犯罪集団「コマンド・ヴェルメーリョ(CV)」の拠点地区として知られている。だが、今回の捜査は同地で凶悪犯罪が起きた直後ではなく、CVが青少年までリクルートし、犯罪行為を行わせていたことで行われた捜査だ。
 リオ市警のロドリゴ・オリヴェイラ署長は、「警察官が殺されたため、体制を脅かすものだと判断した」とし、銃撃戦に伴う多数の死者発生という結果を擁護している。
 だが、1人の警官の死に対して24人の犯罪者を、逮捕でなく殺害したことに行き過ぎとする声は少なくなく、政治家や有名人などからも「ジェノサイド(大量殺戮)」「人権無視」との声が少なからずあがっている。

市警のイメージ(Tania Rego)

 リオ州議で同州議会人権委員会委員長のレナタ・ソウザ氏は、「検察が厳格な捜査を行うべき」「不遵守禁止法(APDF)が守られたかどうかを最高裁が審理することになるだろう」と語っている。
 国連人権委員会も今回の惨劇を嘆く声明を発表し、調査に乗り出す姿勢を示している。リオ市内では7日早朝に、「警察の暴力反対」と訴えるデモも起きている。最高裁のエジソン・ファキン判事も7日、「今回のリオ市警の行為には粛清の意図が感じられる」との発言を行った。
 その一方で、保守派の政治家などからは今回のリオ市警の行為を擁護する声もあがっている。エドゥアルド・ボルソナロ下議はSNS上で警察官の死を嘆く声明を出したが、24人の容疑者たちに関しては何も触れなかったため物議を醸した。
 4月下旬には、同下議の父ボルソナロ大統領が、極右主義者が好むことで知られる、犯罪者の殺害を擁護する「納税者番号は無効となった(CPFカンセラード)」という言葉を書いた看板をテレビ司会者らと掲げた写真が流出し、問題となっていた。
 アミウトン・モウロン副大統領も7日朝、今回の市警捜査に関して、「(亡くなった24人は)すべて犯罪者だったのだから」と市警の行動を擁護した。だが、副大統領は容疑者たちの罪状については何も知らなかった。
 リオ市警は、事件から24時間以上経っても、死亡した24人の身元を公表していない。

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