ブラジル・ラジオ体操連盟(木下ジョルジ会長)は、4月26日からウェブ上でのラジオ体操集会を開始した。毎週月、水、金の午前7時半から25分実施されている。現在約130人のメンバーが参加し、身体を動かすだけでなく、一年以上、直接会えなかった仲間たちと定期的に顔を合わせられるようになり、参加者から予想以上に好評を博している。
同連盟は、ブラジル全体で47支部、約2500人の会員がいる。会員は60代から80代が中心。パンデミックが始まった昨年3月以降、毎日のように広場や室内で集まって体操していた時間が一気に奪われた。
「1993年から連盟でラジオ体操を続けて来ましたが、こんなことは初めてです」と驚きを隠せないのは、同連盟の岡田マリコさん(78歳、アラサトゥーバ生まれ)。パンデミックが始まった頃は、すぐに元の状態に戻ると思っていたが、今年に入っても事態は悪化するばかり。
「家から外出できず、困っている人もいる」と連盟でもウェブ集会を進めるかどうかの議論が交わされてきた。だがパンデミックの影響で事務所の維持すら危ぶまれる状況となり、問題解決に時間を費やした。
ようやく今年2月から6人のメンバーでインターネットの講師を招き、ウェブ集会に向けて勉強会を開始した。
岡田さんは「最初は本当にできるのかしらと思いましたが、結果的に皆さんに喜んでいただけて、本当にやって良かったです」と微笑む。
最初、連盟によるウェブ上のラジオ体操集会の申し込みには約250人が応募した。グーグル・ミートを利用した集会は、一回100人までしか参加できない。
それで、現在はAとBの2グループに分け、連盟のテクニカル部門の代表である岡田さんと副代表の安西ラウラさんが各ホストとなり、午前7時にグーグル・ミートのリンクがワッツアップに送られる。プログラムはモーニング・ストレッチ、みんなの体操、ラジオ体操第一と第二と続く。
「オンライン集会を始めた時は、午前7時15分にリンクを送っていましたが、今か今かと待ち望むメンバーが声をかけ合うため、7時に送るようになりました」と岡田さん。「ウェブ上のラジオ体操集会は、身体を動かすだけでなく、皆で「『元気?』と声を掛けあえる事でも、心の滋養になっています」と話す。
連盟の47支部の中には、既にウェブ上のラジオ体操集会を行ってきた所もある。しかし、ウェブ集会を行っていない支部やどこにも所属していないメンバーのことを考慮し、連盟によるオンライン集会を決行した。
「もっと参加したい方もいるのですが、携帯電話がない人や、身近にインターネットの使い方を教えてくれる人がいない年配者もいます。その様な方が参加できるようにも考えて行きます」と岡田さんは今後の課題について述べた。