サンパウロ州のジョアン・ドリア知事が7日、ブラジルで最初に新型コロナのワクチン接種を受けた看護婦のモニカ・カラザンス氏の手で、初回のワクチン接種を受けたと7日付G1サイト、R7サイトなどが報じた。
同知事が接種を受けたワクチンは、同知事自身が導入に努め、中国のシノバックと提携したブタンタン研究所が製造したコロナバックだ。
コロナバックは2度目の接種用の不足が発生し、2度目を中断した自治体が多数出ているワクチンだ。7日の場合、サンパウロ州内では32市が2度目の接種を中止している。
また、サンパウロ市でも、6日の時点ではコロナバックは2度目の接種を受ける人用のみで、その他の市民が初回接種を受ける際は、アストラゼネカ製のオックスフォード・ワクチンかファイザー製のみが使われていた。
だが、ブタンタン研究所が6日に納品したワクチン100万回分の内、22万6千回分がサンパウロ州に配布されており、ドリア氏がコロナバックが分配された保健所を選んで足を運んだ可能性はある。
ドリア氏に接種を施したのは、1月17日に緊急使用許可が出た直後、ブラジルで最初の予防接種を受けたモニカ・カラザンス氏だ。同氏はコロナバックの治験参加者の一人だが、偽薬を接種されていたため、正式なワクチン接種を受ける第1号に選ばれた。
ドリア氏は接種を受けた後、「ボルソナロ大統領はコロナバックを購入する事を拒み、これを接種すればワニになるなどと揶揄したが、コロナバックは今や、ブラジルで最も愛用されているワクチンで、既に4300万人の命を救ってきた」と語った。
ドリア氏はビア夫人や州保健局長のジェアン・ゴリンシュテイン氏と共に、サンパウロ市西部ピニェイロス区の接種会場に現れ、ビア夫人と共に接種を受けた。ドリア氏は63歳で、4月29日から接種を受ける事ができたが、60歳のビア夫人と共に接種を受ける事を望んだようだ。
ドリア氏は接種後にワニのフィルターをかけた写真をSNSに掲載し、「保健所で列に入り、自分の番が来るのを待って接種を受けたが、ワニにはならなかった」「ワクチンを接種すればワニになるなんて嘘っぱちだ」とも書き込んだ。
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