通話やメッセージの送信が可能なアプリ「ワッツアップ」が、ブラジル国内で4日から送金サービスも始めたと同日付現地サイトが報じた。
ワッツアップによる送金サービスは昨年6月15日に開始が宣言されたが、同様の送金サービスであるPixの導入を進めていた中央銀行が、1週間後に差し止めた。だが今回は、3月30日に中央銀行が親会社のフェイスブックに送金サービス開始を認めた事を受けて、正式にサービス開始となった。
ワッツアップによる送金サービスは個人の利用者同士に限定され、1回の送金額は最大1千レアル、月額も5千レアルまでに限定される。受け取り手は1日に最大20件の送金を受け取る事ができる。
このサービスを利用する際は協賛する金融機関が発行し、Visa、マスターカードの両社のサポートを受けたデビットカードや前払いカード、または両用タイプのカードが必要だ。
協賛している金融機関は、ブラジル銀行、インテル、ブラデスコ、イタウ、メルカード・パゴ、Next、Nubank、Sicredi、Woop Sicrediの9機関だ。クレジットカードしか持っていない場合はこのサービスは利用できない。
送金サービスはCieloのプラットホームを介して行われるため、同社と提携している会社もこのサービスに加わってくる可能性がある。
送金サービスを利用するには、フェイスブックが持つフェイスブックPayと連動する、ワッツアップPayと呼ばれるプログラムが必要だ。このプログラムはまだ、段階的に導入している最中で、ワッツアップ利用者全員が送金サービスを利用できるようになるには時間がかかる。協賛金融機関も顧客にこのサービスを勧める事ができる。
ワッツアップPayを利用するにはブラジル国内で登録された電話番号が必要で、送金サービスは暗証番号か登録された指紋によって保護される。ワッツアップPayに登録された口座の利用者が親族や友人を同サービスの利用者として招くと、これらの人達は自動的にプログラムに登録される。
ワッツアップPayに登録した人が送金を行う時は、文書やオーディオを送信する時同様、連絡先をクリックした後、送金(transicao)のオプションを選べばよい。送金は無料で、リアルタイムで送金される。
この送金サービスを利用するには提携金融機関の口座が開設されていなければならないため、専門家は利用者は限定されるというが、Pix同様に、いつでも、どこでも無料でリアルタイムの送金が可能という利点は大きい。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ会長は、ブラジルは世界に先駆けて送金サービスを導入した国の一つとし、ブラジルでのワッツアップの普及を喜んでいる。
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