連邦警察が最高裁に対し、ジアス・トフォリ同裁判事に対する捜査開始要請を提出していたことがわかった。11、12日付現地紙、サイトが報じている。
連邦警察がトフォリ判事にかけた嫌疑は、リオ州元知事のセルジオ・カブラル氏がラヴァ・ジャット作戦で行った報奨付証言(デラソン・プレミアーダ、司法取引証言)に基づいたものだ。
カブラル氏によると、トフォリ判事が選挙高裁の長官だった2014年から15年にかけて、リオ州の市長2人に有利な判決を行うことを約束させ、同州の事業局長だったハドソン・ブラガ氏に400万レアルの賄賂を支払わせたという。また、賄賂のやり取りには、トフォリ氏夫人で弁護士のロベルタ・ランジェル氏の事務所が関与していたという。
トフォリ氏は2012年から16年に選挙高裁の判事を務め、14年5月〜16年5月は長官職も務めていた。
カブラル氏のデラソンは20年2月に最高裁のエジソン・ファキン判事が承認したが、その際にトフォリ判事が反対。それを受け、アウグスト・アラス連邦検察庁長官が一度お蔵入りさせている。
今回の件に関しては、最高裁判事の口頭試問や承認を行っている上院で関心が高く、一部の上議は捜査開始を強く求めている。ラシエル・マルチンス上議(ポデモス)は「ジョゼ・ジルセウ元官房長官(労働者党・PT)を釈放させたときからトフォリ氏に不信感を抱いていた」と語り、アレッサンドロ・ヴィエイラ上議(シダダニア)は「判事罷免にさえつながる問題だ」と語っている。
両上議ともボルソナロ大統領派で、ヴィエイラ氏はボルソナロ氏の「州による外出自粛撤廃」の意向に沿うよう、州と市のコロナ対策優先を説いたアレッシャンドレ・デ・モラエス判事の罷免請求を出したことのある人物でもある。
一方で、「体制を揺るがそうとしているだけ」「カブラル氏の証言だけでは不十分」とする上議もいる。カブラル氏はこのデラソンが承認された時点で、ラヴァ・ジャット作戦だけで累積282年の実刑判決を受けていた。
連邦警察は最高裁での全体審理を求めているが、ブラジルメディアの報道によれば、最高裁判事達によると、アラス長官はカブラル氏のデラソンを基にした捜査開始要請には否定的な判断をする傾向があり、トフォリ氏に関する捜査開始が認められる可能性は高くないという。