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《ブラジル》生後6カ月の乳児に無数の傷=虐待疑い、医師が警察に通報

機械につながれて重体の乳児(12日付G1サイトの記事の一部)

 ゴイアス州アナポリス市で、生後6カ月の乳児に無数の傷がある事に気が付いた医師が、虐待を疑って警察に通報、市警が捜査を始めたと11、12日付現地サイトが報じた。
 問題の乳児は10日にアナポリス市の救急診療所小児科外来に運び込まれたが、30カ所以上の傷がある事に気づいた女医が虐待を疑い、警察と児童相談所に通報した。
 児童相談員によると、父親が抱いている様子を見た母親が、乳児がぐったりしているのに気付いて、病気だと思って救急車を呼び、病院に連れてきたのだという。
 診療所に着いたのは10日の夜で、小児科の女医が診断した結果、30カ所を超える内出血痕などが見つかったという。

 乳児を診察した女医は初期対応後、州都ゴイアニアの州立病院に乳児を移送。乳児はそのまま、集中治療室に入院し、治療を受けているが、病院に到着した時には既に自力呼吸が困難なほどの重体で、人工呼吸器を必要としている。また、経神経内科的な診断などを試みても明確な反応が見られていないという。
 市警は既に父親を呼んで事情聴取を行ったが、父親が「なぜケガをしたのか、皆目見当がつかない」と答えたため、とりあえず、帰宅させたという。児童相談所は、市警の捜査を待って今後の方針を決める意向だ。
 10日にはサンパウロ市でも3歳の男児が暴力的行為によって死亡する事件が起きているが、新型コロナのパンデミックなどの影響もあってか、虐待などで保護を必要とする子供は増加傾向にある。
 サンパウロ州の場合、19年4月は78件だった年少者保護プログラムの対象が、今年4月には155件に増えている。

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