南米最大の金融街サンパウロ市パウリスタ大通りで13日夜、人種差別や大量殺戮などに対する抗議デモが行われたと同日付現地サイトが報じた。
5月13日は、1888年にペドロ2世の娘のイザベル王女が奴隷制の完全廃止を宣言する「黄金法(Lei Áurea)」を裁可した日だ。同日は「人種差別に対する告発の日(Dia Nacional de Denúncia Contra o Racismo)」でもある。
パウリスタ大通りでのデモは「権利のための黒人連立(Coalizão Negra Por Direitos)」が計画。「銃弾、飢餓、コロナ感染症は要らない。黒人は生きたいんだ!」という言葉で、人種差別や集団殺人、黒人の大量殺戮の撲滅を呼び掛けた。
大量殺戮の中には、リオ市北部のファヴェーラ(貧民街)ジャカレジーニョで起き、28人の死者が出た市警の犯罪組織摘発作戦も含まれ、犠牲者追悼と共に「正しい裁きがなされるように」との声が上がった。また、コロナ感染症による42万人を超える犠牲者を悼み、大統領罷免を求める人もいた。
ダッタフォーリャの調査では現政権のコロナ対策は遅きに失したと見る人が多く、政府のコロナ対策を評価は21%、評価しないは51%だった。知事達の対策を拒絶する人も減っている。コロナによる黒人の死者は白人よりも多い。
サンパウロ市では同日、「サンパウロは黒人と先住民の地」というスローガンを掲げた人々による抗議運動も見られた。このグループは、市南部にある奴隷商人ボルバ・ガトの彫像などを訪れ、黒人奴隷解放に向けた歩みや先住民蹂躙の歴史を振り返ると共に、道路名の変更などにより、黒人や先住民の歴史に関わった人々を顕彰するよう呼びかけている。
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