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東西南北

 このところ、警察による暴力が再び注目を集めているが、サンパウロ市でも、「正当と呼べるかは微妙」な警察による暴力事件が発生し、話題を呼んでいる。それは今月1日、サンパウロ市南部グラジャウーで、警察官が一般市民の足を縛り、パトカーの中に閉じ込めて殴る蹴るの暴力事件を起こしたことだ。ことの発端は、この被害者が車の追突事故を起こしたことだった。彼によると「自動車保険を持っていたから問題なく解決できていた」ところに警察が割り込み、話がこじれた末に暴力事件に発展したとのこと。このシーンは実際に防犯カメラにも記録され、公開されて問題にもなっている。なぜ警察がこんな暴力をふるってしまうのか。
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 12日付本欄でも報じた、10日にサンパウロ市ベラ・ヴィスタ区のアパートで死亡した3歳のガエル君の葬儀が13日、同君の父親の郷里のパライバ州でしめやかに行われた。事件後の反響があまりにも大きく、サンパウロ市で葬儀を行うと人が殺到し、密を作る恐れからの配慮ともいわれている。父親はいつか、ガエル君を自分の郷里に連れて行きたいと願っていたが、望んでいた形とはまるで違う旅となってしまった。殺害容疑で逮捕された母親アンドレイラ・フレイタス・デ・オリヴェイラ容疑者は依然として犯行を否定しているが、精神疾患を疑われている。