独立行政法人国際交流基金のサンパウロ日本文化センター(FJSP、洲崎勝所長)は6月20日(日)、『パウロ・フレイレの思想と言語教育』をブラジリア時間午前9時から11時に開催する。
「学ぶ人が教育の主体であるべき」という同氏の教育思想は、今日も世界中の教育現場で重要な考え方のひとつとされている。ブラジルを代表する教育思想家パウロ・フレイレ(1921―97年)は、北東伯レシフェ市農村部で文盲の農夫らに、境遇を考え、暮らしを変えるための力としての識字教育を行い、大きな成果を上げた。
その教育運動が大資本家たちの機嫌を損ね、1964年の軍事クーデターで国外追放され、民政移管後の帰伯した人物。今年で生誕100周年を迎える。
それを機に「南米の学習者はなぜ日本語を学ぶのか」「日本語を学ぶことは学習者の人生にどのような意義があるか」を考えるウェビナーを開催することになった。
第1回目にはフレイレの下で学んだという野元弘幸教授を講師に迎え、フレイレの思想やその言語教育についての講演が行われる。講演は日本語だがポルトガル語とスペイン語の同時通訳が付く。定員はない。
ユーチューブ上で配信予定。応募フォーム(https://forms.gle/9Zxisk9YeAzVJuJKA)から申し込み後、後日ユーチューブリンクが送られる予定。講演の録画も後日JFSPホームページで公開予定。
講師の野元弘幸教授は東京都立大学の人文社会学部教授。89年から91年サンパウロ州カンピーナス大学留学経験を持ち、コロニア・マクコ日本語教室の講師として教壇に立った経験も持つ。
91年帰国後は愛知県豊田市の保見団地で日系ブラジル人の支援や日本語教育に携わっている。その際にパウロ・フレイレ方法を応用し「課題提起型日本語教育」を提案し実施してきた。
イベントについては同センターサイト内の告知ページでも詳細が確認できる(https://fjsp.org.br/agenda/webinario-fjsp-paulo-freire/)