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《ブラジル》最高裁=国勢調査の実施は来年に=今年行うとの仮判決覆る

国勢調査は来年実施と報じる12日付アジェンシア・ブラジルの記事の一部

 【既報関連】最高裁が14日、昨年実施の予定だったが、新型コロナのパンデミックのため今年に延期された国勢調査をもう1年延期し、22年に行う事を認めたと同日付現地サイトが報じた。
 国勢調査は10年に1度行われ、総人口や自治体毎の人口、家族構成、所得、学歴などの総合的なデータを集める。同調査で得たデータは、公衆衛生政策も含む諸政策の策定や種々の補助金の支給、選挙関連の決定などを行う際に不可欠だ。
 だが、20年は新型コロナのパンデミックのために訪問調査は困難と判断され、21年に延期された。地理統計院(IBGE)は、今年実施の方向で調査員などの公募も行っていたが、連邦議会が今年度の予算案を審議している段階で、20億レアルが計上されていた調査用の経費が17億6千万レアル削減されたため、国勢調査の実施は困難と判断され、採用試験も中止された。

 だがマラニョン州政府の要請で、マルコ・アウレリオ・デ・メロ最高裁判事が4月28日に連邦政府に対し、今年、国勢調査を行うように命ずる仮判決を出した。
 14日の審理は連邦政府からの上告を受けたもので、ヌネス・マルケス判事が国勢調査は調査員をコロナ感染の危険にさらすし、他の方法に替え得るとして、国勢調査の実施そのものに反対したが、彼以外は全員が実施に賛同した。
 だが、実施時期に関しては意見が分かれ、マルコ・アウレリオ、エジソン・ファキンの両判事は今年と主張したが、それ以外の8人が来年が妥当と判断したため、調査は来年に持ち越された。

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★2021年4月7日《ブラジル》国勢調査員採用試験を中止=予算の大幅削減で実施を断念
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