在サンパウロ日本国総領事館(桑名良輔総領事)は5月13日、昨年7月28日に贈与契約を結んだ草の根・人間の安全保障無償資金協力の「サンタクルス病院人工呼吸器整備計画」の供与式を、同院82周年記念式典と共に行った。
昨年まで同院理事長を務め、現在は評議会議長を務める石川レナト議長は「人工呼吸器の寄付と、JICAの癌センター設立の支援は、日本との絆の強さの証です」と挨拶。
続けて「病院名をサンタクルス日本病院に変更することで、我々はその起源である日本国を称賛し、病院のトレードマークである尊厳あるケアと日本のおもてなしの精神により、引き続き患者の皆様にサービスを提供し続けていきます」と謝辞を述べた。
佐藤理事長は「この度の寄付により、医療サービスがより高いレベルに引き上げられました」と述べ「パンデミックの困難は依然として続いていますが、我々は着実に前進しています」と力強く述べた。
続いて「これからもブラジルで最高レベルの病院となるべく全力で努力していきます」と在聖総領事館やJICAなどの支援を受け、更なる発展への意気込みを述べた。
桑名総領事は、「寄付をした人工呼吸器が多くの患者の命を救うのに役立っているとお聞きし、大変喜ばしいです」延べ、続けて昼夜を問わず医療現場で尽力する医師、看護師、病院関係者に改めて敬意を表した。
さらに「一丸となってこの難局を乗り越えていきましょう」と激励の言葉で締めくくった。
桑名総領事によると、昨年7月の贈与契約締結後、世界的に人工呼吸器の需要が高騰。入手困難の状況が続いていたという。「当初はやきもきしていましたが、変異株や感染再拡大し始めた時期に間に合い活躍しているようで安心しました」と胸をなでおろす。
草の根無償資金協力による人工呼吸器は供与限度額89116米ドルを限度に4台が供与された。呼吸器は同院に12月頃到着し、1月に試運転を行い、2月から本格的に導入されている。
同院は民間の中核病院として長らく地域に医療を提供してきた。また昨年から始まったコロナ禍後には、民間医療施設で治療を受けられない低所得の新型コロナウイルス患者の受け入れも行っており、公立医療機関の補完も行ってきている。