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《サンパウロ市》19日に地下鉄4線でスト決行=給与調整で折り合いつかず

サンパウロ市地下鉄の様子(Twitter)

 19日、サンパウロ市地下鉄の職員組合が4線にわたって全面、もしくは部分ストを敢行した。地下鉄公社との給与に関する交渉が折り合わなかったことで起こったものだった。19日付現地サイトが報じている。
 この日、ストの対象となったのは、サンパウロ市地下鉄の1号線、2号線、3号線、モノレールの15号線だ。4号線と5号線は民間企業であるため同職員組合に入っておらず、CPTMと同様、通常通りに運行した。
 スト敢行は18日夜中、組合が行った臨時総会の席での投票で決まった。3162人で行った投票のうち、77・4%にあたる2448人がストに賛成して、決行が決まった。今回のストは当初、12日に予定されていた。
 組合側は、ここ2年間、給与調整が行われていないことから、この間に起きたインフレ分、約10%を給与調整するように求めた。だが、地下鉄側からの回答は2・61%にとどまっていたことでストに踏み切った。

 「我々は給与をあげてほしいわけではない。インフレ分を考慮してほしいだけだ」と地下鉄職員組合のコーディネーター、カミーラ・リスボア氏は語っている。その一方で地下鉄側も、「昨年は(コロナ禍などで)170億レアルの損害を被っているし、値上げの条件提示まで行って誠意を見せているのにスト決行とは」と、不満を示している。
 この組合側の決定に対し、労働裁判所は「ピーク時に80%、そのほかの時間に60%の運行」を行うよう組合側に求めた。
 その結果、19日午前0時から全面休止ではじまっていた今回のストではあったが、午前7時頃から1号線でアナ・ローザ〜ルス、2号線でアウト・ド・イピランガ〜クリニカス、3号線でブレッセル/モオッカ〜サンタセシリアで運行を始めた。15号線は終日運休となった。
 地下鉄は、ストの代行として、1号線に100台、2号線に60台、3号線に100台の、6線の代替バスを急遽運行。損害の軽減につとめた。