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《ブラジル》8歳の少女救った飼い犬が死亡=襲い掛かったピットブル阻止時の深傷で

一般的なシーズー犬(Melanie Dullinger – White Magic Kennels via Wikimedia Commons)

 サンパウロ州内陸部バウルー市で、隣人が飼っているピットブルが門を開け、8歳の少女に襲い掛かったのを見た犬が、少女とピットブルの間に身を投じて飼い主を救ったが、その時のケガがもとで亡くなるという事件が起きたと18日付G1サイト、UOLサイトなどが報じた。
 ピットブルによる少女襲撃事件が起きたのは16日の午後。日曜日という事もあり、8歳の娘のララちゃんや2匹の飼い犬と共に家の前の舗道に座り、のんびりとしていたタイナラ・マリノさん。隣家の門が開いて駆け出してきたピットブルが、傍にいたララさんに飛び掛かるのを見た。
 あっという間の出来事に、立ち上がる事さえままならなかったタイナラさんに代わってピットブルに立ち向かったのは、6歳の雌犬のリリッカだ。ピットブルの襲撃に気づいたリリッカは、身を躍らせるとララさんとの間に飛び込んだ。
 邪魔をされたピットブルがリリッカに噛みついて放そうとしないのを見たタイナラさんは、ララさんを抱きかかえて自宅に連れ帰ると、応接間でテレビを見ていた父親に助けを求めながら表に戻り、リリッカを助けようとしたが、闘犬などに使われる種類の犬でもあるピットブルはしっかりと噛みつき、放そうとさえしない。
 タイナラさんの叫び声を聞いた近所の人達が駆け付け、バケツや棒を投げつけたりしてリリッカを助けようとしたが、ピットブルが駆け回り、当たらない。リリッカの息子のボーラも噛みついたり、吠えたりして母親を助けようとしたが、ピットブルには通用しなかった。

 リリッカが自由となったのは、通りがかった車の運転手が「首根っこを押さえつけろ」というのを聞いた男性がピットブルに追い付き、背中にまたがって首根っこを押さえつけた時だ。
 噛みつかれたまま、約5分間、4キロも引きずり回されたリリッカは、近所の人が電話で連絡を取ってくれた獣医のもとに運ばれた。だが衰弱が激しく、その場で手術を行うのは無理と判断した獣医のクリニックに入院。
 リリッカの状態が一時的に改善したため、獣医は翌朝、傷口を縫合し、麻酔の量を減らした後、「何か食べるものも持ってきて」とタイナラさんに連絡した。だが、タイナラさん達がクリニックに向かう間にリリッカは息を引き取った。
 タイナラさんは警察に被害届を出したが、ピットブルの飼い主は仕事に出ており、襲撃事件が起きた時は自宅に居なかったが、急を聞いて慌てて帰宅。クリニックにも同伴したが、事の次第に驚き、泣きながらタイナラさん達に謝ったという。
 飼い主は出かける際、いつものように門を閉めたが、施錠はしなかったという。本人は、これまでも施錠はしていなかったが、何も起きなかったと釈明しているが、警察は飼い主の怠慢として責任を問う意向だ。

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