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《ブラジル》ルーラ「自分が大統領候補」と公言=支持基盤固めでFHCとも会食

21日のルーラ氏(右)とカルドーゾ氏(Ricardo Stuckert)

 ルーラ元大統領(労働者党・PT)が国外のメディアの取材で、「自分が2022年の大統領候補だ」と語っていたことがわかった。20、21日付現地紙、サイトが報じている。
 これは、フランスの雑誌「パリス・マッチ」へのインタビューに応えたものだ。ルーラ氏はこの中で、「自分がボルソナロ氏への対抗馬となる」と語り、「世論調査で良い結果が出続け、健康状態が良ければ、喜んで出馬するよ」と語った。
 ルーラ氏は3月8日、最高裁のエジソン・ファキン判事から、3審と2審まで有罪だったラヴァ・ジャット作戦での裁判二つを無効にされたことで、出馬の権利を回復。このことは4月の最高裁全体審理でも改めて確認され、出馬に支障がなくなった。
 その後の世論調査でも、支持率でボルソナロ大統領を上回っており、5月11〜12日のダッタフォーリャの世論調査では、一次投票で41%対23%、決選投票でも55%対32%でボルソナロ氏に勝利するとのシミュレーション結果が出ていた。

 ルーラ氏はこのところ、選挙に備えたものと思しき動きを積極的に行っている。18日には自身のツイッターで長年の政敵として知られるカルドーゾ元大統領(民主社会党・PSDB)や22年大統領選で争うとみられるシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)をほめたたえた。
 ルーラ氏はこの日、「先週はブラジリアに行き、60人の政治家と対話を行った」「来週は社会運動家たちと話をする」などとも語った。
 その中で気になる動きを示しているのは社会民主党(PSD)だ。PSDは進歩党(PP)に次ぐ中道勢力セントロンの中心党で、ボルソナロ政権に協力しているが、ルーラ氏が同党党首のジルベルト・カサビ氏や同党に移籍してきたロドリゴ・マイア前下院議長に接近。これらの動きから、PSDがボルソナロ政権から離脱する可能性が高まっていると見られている。
 ルーラ氏は21日、先週はカルドーゾ氏との昼食会を行ったことも明かした。両政権で重責を担ったネルソン・ジョビン氏宅での昼食会は3時間に及んだ。二人は90年代から政敵として対立状態にあったが、「民主主義のために戦う」ことで意見が一致した。カルドーゾ氏は以前から、「ルーラ氏とボルソナロ氏なら、ルーラ氏に投票する」と語っていた。
 ボルソナロ氏は二人の会談について知ると、名前を明言するのを避けつつ、「一人は盗人で、もう一人は暇人(vagabundo)」と酷評した。

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