昨年は新型コロナのパンデミックで世界全体の貿易総額が7・6%落ち込んだが、ブラジルは国際平均を上回る8・2%落ち込んだと24日付現地サイトが報じた。世界貿易機関(WTO)のデータから全国工業連合(CNI)が算出した。
CNIによると、昨年のブラジルの貿易総額(輸出額+輸入額)は前年比で8・2%落ち込み、世界全体の平均の7・6%減やG20の平均の8%減を上回った。昨年のブラジルの輸出は7%、輸入は10%減少した。
輸出減少はパンデミック初期の数カ月間の世界貿易の落ち込みが影響し、輸入減少はドル高レアル安が響いた。それでもブラジルは全世界の貿易総額の1%を占め、27位を保った。
G20で貿易総額が伸びたのは、輸出が4%、輸入が1%伸びた中国だけだ。中国の貿易総額は4兆6千億ドルで、全世界の貿易総額に占める割合も12%から13%に伸びた。2位は3兆8千万ドルの米国で、全体に占める割合は11%だった。3位ドイツは7%、4位日本は4%だった。
全世界の貿易総額は35兆4千万ドルで、輸出総額は7・5%、輸入総額は7・6%減少した。
CNIは、ブラジルの貿易事情改善には税制改革を含めた諸改革と、インフラの近代化などで生産コストを上昇させるようなボトルネック回避が不可欠としている。対外的にはパンデミック後の世界的な経済回復が不可欠だが、各種料金や各種手続きの軽減・簡便化、二国間や経済領域間の貿易協定締結なども必要だ。
1月4~5日の速報ではブラジルの昨年の貿易収支は前年比6・2%増の509億9500万ドルの黒字、貿易総額は3688億ドルで前年比7・7~8・4%減とされていた。
★2020年1月28日《ブラジル》ボルソナロ大統領がインド訪問=2年後までに貿易額倍増で合意=多分野で二国間協定に署名交わす= インドの企業家に対ブラジル投資もよびかけ
★2010年1月6日《ブラジル》産業開発省=09年の貿易総額が23%減=60年間で最悪の下落比率=世界不況の悪影響が集中=望みの綱は中国か米国か