世界的に知られるブラジル建築界の権威、パウロ・メンデス・ダ・ロシャ氏が23日未明に亡くなった。92歳だった。23、24日付現地紙、サイトが報じている。
ロシャ氏は1928年にエスピリトサント州ヴィットーリアで生まれたが、生後間もなくサンパウロ市に移った。同市中央部のパウリスタ大通り近くで生活しているうちに建築に興味を抱き、マッケンジー大学などで学んだ後、1955年から建築家としての道を歩み始めた。
軍政下での1969年には、勤務していたサンパウロ総合大学を解任させられる憂き目を見たが、1970年に開かれた大阪万博でのブラジル館の建築で国際的に注目を浴びた。このブラジル館は後に再評価もされ、2018年には記念の展覧会も開かれた。
ロシャ氏はその後、1999年にはブラジル彫刻美術館(MuBE)、2000年にはピナコテカ博物館の改築を手がけたことで名声を高め、2006年には国際的な建築の権威であるプリツカー賞を受賞。ブラジルでの同賞受賞者は、ブラジリア建設で知られるオスカー・ニーマイヤーとロシャ氏の2人だけだ。
2016年にはヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞、そして日本で高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した。近年はサンパウロ市のポルトガル語博物館火災を受けての改築や、5月24日通りのSESCの建築で知られていた。
ロシャ氏の死は23日午後、ブラジルの建築と市街化評議会(CAU-BR)と身内によって明らかにされた。遺族らは死因には言及しなかったが、同氏は肺がんを患っていたという。
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